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FAQ
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その11:魚の移動法


前準備
 移動先には新しい水槽システムを予め立ち上げておく。現在使用している水槽の水は有効なので、出来るだけ持っていくようにする。水槽の水は魚を掬う前に静かに必要量を採る(粘液や水槽内の微塵・ストレス物質が混ざらぬよう)。2リットルくらいのペットボトル空き容器にホースで注入していくと魚が驚かない。幾らでも持っていける場合でも、水槽内の魚の体高の2倍を残す。これより少ないと魚が行動する際傷付くし、これ以上多いと追い回す時間が長くなり、かえって魚を疲労させる。
 必要な水を抜き終わったら水槽内の全てのアクセサリを取り出して捕獲に備える。この時点で暴れ回る魚種は先ず居ない(本能的にじっとしている)。
 新水槽に旧水槽の水を入れる際は新水槽の水を予め抜いておく。

近距離(数秒から数分の場合)
 隣接する水槽であれば網で掬ったはしから移してもよいが、別階であればバケツに一時収容して運ぶ(コリドラス類も一緒に運んでよい)。時間がかからないのでエアーレーション等は不要。一回に運ぶ匹数は少ないほど安全(擦れと擦れによる粘液放出の回避)。バケツの水は決して新水槽に混ぜないこと(魚を全て移し終えたらバケツの水は廃棄)。網で掬えない魚種(棘のあるナマズ類など)は水を相当抜いた後小さなプラクチックのバットなどで掬うと良い。

長距離(数時間〜24時間)
 個々にポリ袋に詰めることになる。極小魚は数匹ずつ纏めるのも止むを得ないが、匹数が少ないほどトラブルは減る(代わりに重量が嵩む)。コリドラス類は自家中毒回避の為、面倒でも一匹づつ梱包する(相当小さな袋で構わない)。ポリ袋はふにゃふにゃの柔らかめのものではなく、少々硬めのものを用いる[画像1]。水漏れ防止に必ず二重とし、間に袋の丈半分程度の新聞紙を挟み込む[画像2]・[画像3]・[画像4]・[画像5]。水槽の水を魚の体高の1.5倍ほど注ぎ、魚を入れた後酸素を詰める(少量の場合はショップで販売している簡易ボンベを使用。大量の場合は専門業者よりでかいボンベをレンタルすると良い)。水と酸素の比率は1:5〜1:3程度がよい。酸素を送り込んだら内側袋の口を捻り、輪ゴムを数本(3本程度が適当)掛ける[画像6]。捻った口を折り輪ゴムを力一杯5回程度根元を締め上げる[画像7]。この時に袋がパンパンになるように絞り込む。この後に袋の口の先端を↑に向け、捻った部分を再び5回ほど締め上げる[画像8]。最後に袋の口の先端を戻し、そこに残りの輪ゴムの輪を通す。外側の袋も同じように行う[画像9]。角のあるポリ袋は小型魚が突っ込んで圧死せぬよう角をテープで潰す。口を縛り終えた袋を逆さに立て、水の無い=魚が決して突っ込んでこない状況でテープを貼る[画像10]・[画像11]。完成品[画像12]。大型の個体はこれを横にして安定する状態をつくる(袋の丈は全長がすっぽり収まる程度とする。余計な空間を空けると突進するので返って駄目)。この梱包法は水漏れが先ず発生せず、口の端を真っ直ぐ引っ張れば一気に輪ゴムが外れる手間要らず。魚を入れない状態で練習しておくと良い。
 汚染を最小限に抑える為、袋詰めの前日は餌を抜く。
 魚の袋が幾つ出来るかは予測出来るので、それに合わせたサイズ・個数の発泡スチロールを用意する。発泡スチロールには袋を立ててしっかり詰めて蓋をする。これで四季を通じ移動の際24時間は持つ(勿論直射日光や吹き晒しは極力避けること)。
 濾過材の移動は袋を4重にする。持っていく濾過材をバケツに採り、飼育水(2倍くらい)を注いで軽く濯ぐ(この水は捨てる)。水を切って適当に袋に詰め 、飼育水をひたひたに注いで梱包(酸素を詰める)。余り詰めると振動で袋が破れるので、袋の1/3程度で区切りを付ける。

超長距離(24時間以上)
 中継地点を設け、袋の中の水と酸素を交換したい。水は同時に運んでいる(筈の)飼育水を使用する。袋の口を絞って逆さにする。少しずつ開いて中の水を迅速に抜き、魚の周りに水が絡み付く程度の量になったら元に戻して飼育水を注ぐ。急いで行うが袋の中が洗濯機にならぬよう注意する。

目的地到着後の処理
 袋の魚は一度水ごとバケツに開け、魚のみを新水槽に移す。気温差がある場合は温度合わせを行う。12時間以上かかった場合は水合わせも併せて行う

魚の捕獲
 網:棘の無い小魚向き。網は大きいほど良い。小さな網では追い回すこととなり、魚にストレスを与え水も極端に汚染される。小さな個体には小さな網といった先入観は捨てること。小さな網は残餌拾いや冷凍飼料の解凍にでも使用するもの。カラシン小型種・コイ科魚種小〜中型種・メダカ全般など。スズキ目魚種小型個体。小型のフグ及びウナギ型魚種(スネークヘッドやウツボ)。
 バット(プラケース):胸鰭や鰓蓋に棘を持ち、且つ上方にジャンプしない魚種に向く。手際よくやればそのまま新居に移せる。チャイナバタフライ系の罠にも使用可。ドラス系(プレコ含む)のナマズ・チョウチョウウオやキンチャクダイの仲間。中〜大型のフグ。棘の強い中・大型蝦類(乱暴に扱うと跳び出すので注意)。イソギンチャクやクラゲ。
 ポリ袋:大型の個体向け。ポリ袋を水槽に沈め、袋の口を捕獲対象の頭部に開く。後は突っ込ませるだけ。全ての中・大型個体。
 手掴み:大型プレコ(ロイヤル巨大個体やアグア・ガリバーなど)。掌でプレコの背甲をしっかり抑え、親指と中指で胸鰭の付け根をロックする。後は跳ねられないように残り3本の指で胴体をしっかり鷲掴み。慣れると一番楽で魚にもダメージが少ない。勿論網も駄目にしないで済む。バットからチョウチョウウオやキンチャクダイを新水槽に移す際も手で行う(パーチ・ハタ系は掌に合わないので不可)。すっぽりと両手で包むようにして移動。隙間が無ければ先ず暴れない。背鰭の棘で手を切らぬよう注意。
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