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最新の分類について




ダトニオイデス管理法

 ダトニオイデスとは:大変貴重な存在であった時期も有りましたが、現在ではよく見かけるようになったスズキ目ロボテス科の一グループです。
 シャムタイガー・本(物)ダトニオとも称されるタイプは、最も人気が有り、特に大型になると赤味の増す個体は今でも希少価値から高値です。50cmに達し、成長はやや遅めです。
 プラスワンと呼ばれるタイプは、尾柄にもう一本多くバンドが入るタイプで、一時シャムタイガーの輸入が途絶えた際、良く出まわったものです。バンドの位置が乱れるものも多く、やや人気薄でしたが、中には良い方にバンドが乱れ、シャムタイガー張りの模様を持つものも見られ、リアルバンドとして差別化が図られました。成長は非常に遅い。
 ニューギニアダトニオは最終兵器として登場、初輸入時には7桁という馬鹿げた値が付いたほどです。海産起源の強い種で、輸入直後は大抵白点病を患いますが、それが元で死亡する事は有りません。幼魚の内はそれでもオレンジが強く出、渋い美しさが有りますが、成長すると只の沿岸魚に様変わりします(中には美しいままの個体も居るそうですが)。成長はさほど遅くありません。
 シックス(メニー)バーダトニオは完全な汽水・海棲魚で、純淡水での飼育は出来ません。純淡水で管理すると或る日突然コロッと死亡してしまいます。前日までは元気で、餌もバクバク食い、突然死などともいわれましたが、単純に塩分不足です。30〜40cmほどになり、銀色の輝く美しい魚です。仔魚は1000円以下と安価で、最も薦められる種類です。
 ナンダス、チョコレートナンダス、カルボナンダスはダトニオイデスの属するロボテス科からは縁遠い所に位置します。ナンダスは精々10cmにも満たない小型魚で、最もアクアリウムに向く種類の内の一つです。カルボナンダスは豪州北部に限局分布する種で、20cmになります。
 飼育・管理:ダトニオイデスは総じて大型になります。水槽も90cmでは狭すぎるので、120cm以上は用意しましょう。特に数匹を混泳させる場合、この手の体型の魚種の特徴として同形魚と争う為、180cmはなくてはならないでしょう。それでもダトニオイデスやプラスワン・ニューギニアダトニオは混泳が容易な方で、体型が異なれば殆ど攻撃を加えません。しかしシックスバーダトニオは非常に気が荒く、同種・多種共に攻撃を仕掛けます(我が家では淡水ウツボにまで手を出していました)。そう大型にならないので、75cm水槽に単独飼育というのが最も良い選択でしょう(無論90cm規格水槽が用意できればベスト)。ナンダス類はコリドラスとも上手くやります。カルボナンダスはナマズ嫌いなので、決して混泳させてはなりません。ナマズ以外でも相当遣り合います。こちらは単独飼育が良いでしょう。
 純淡水・もしくは半海水から純淡水に移行させて管理するのはダトニオイデス、プラスワン、ニューギニアダトニオ、ナンダス類、カルボナンダスです。水槽に馴れてしまえば病気で死亡する事はまず有りません。シックスバーダトニオは半海水から全海水で管理します。水槽にスプーン数杯などという塩分濃度では全く足りません。注意するのは水替え時で、急激に淡水を加えると即死する事も有るので、注水しながら人工海水を同時に加えていきます。塩分濃度が海水に近いほど美しく輝き、飴色が強くかかることも有ります。
 シクリッドと異なり、ダトニオイデスの類は餌を食う割には成長が遅く、少々いらいらします。但し次の水槽の準備期間が取れますので、落ち着いて資金繰りが出来る事でしょう。餌を大量にやる事となりますから、濾過槽の充実と水替えを頻繁(週一回、半量)にします。酸性の水を好む種は居ませんから、濾過材には珊瑚砂を半分ほど混ぜます。シックスバーダトニオに関しては、濾過材全てを珊瑚砂にすべきです。酸欠には強いですが、それでも上部式濾過槽がベストです。
 底砂は敷いても敷かなくても構いません。あの口ですが、餌採りは非常に器用ですから。苔取りにはプレコを放しておきましょう。プレコを襲う事はまず有りません。
 混泳:ダトニオイデス・プラスワン・ニューギニアダトニオに関しては、同種同士であれば水槽を広く取る事で可能です。異種に関しては同形でなければ、大抵問題ありません。しかしながらアロワナ・ナイフフィッシュの類に関してはよく闘争が報告され、あのノーザンバラムンディもダトニオにはかなわないといった状況ですから、余程水槽が広くなければ控えた方が良いでしょう。苛めでは有りませんが、鞭状の突起・脚を持った種はもがれる事が有ります。勿論口に入るサイズの個体(体長の半分以下)は、決して混ぜてはいけません。
 餌:小魚から配合飼料まで、与えれば与えただけ食います。ブラックバスやガーパイクと殆ど変わりません。成長を速めるには金魚やタナゴなどに、缶詰の剥き海老を併用するといったなまもの攻勢が効果的です。逆になるべく水槽を大きくせず、他魚との混泳も図るというのならば、配合飼料のみで良いでしょう。
 病気:はじめ白点病にかかる事も有りますが、それで死亡する事は有りません。幼魚では餓死が殆どで、単純な餌不足から闘争に負け、餌が取れなくなるものまで様々です。特に幼魚の内は、底に餌が溜まるほど与えて構いません。回数も日に2〜3回は与えます。手の平に重みを感じるくらいになるまでは、餌は与えるだけ与えなくてはなりません。


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