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最新の分類について

スピニーイール管理法



 スピニーイールとは:現在スピニーイールとは、スズキ目(PERCIFORMES)トゲウナギ亜目(Mastacembelidae)の、トゲウナギ科(Mastacembelidae)に属するものを指します。但し彼等をタウナギ目(SYNBRANCHIFORMES)に近縁とする説が出、支持もかなり取り付けているようです(私もそう感じます)。
 ユーラシア・アフリカ大陸に分布します。
 全体的に見るとスズキ目の特徴である、第一背鰭・第二背鰭が有りますが、第一背鰭の棘は著しく短く、従って鰭膜も退化的で鰭と称して良いものか不安が有ります。吻端は短いものの、まるで象の鼻のように自在に可動します。第二背鰭・尾鰭・尻鰭は連続気味で、他のスズキ目魚種よりも相当古い型である事が解ります。ところが彼等がタウナギと全く異なる点がその行動で、非常に機敏且つ好奇心旺盛である事です。タウナギを飼育した所で、精々肺魚程度の反応しか見せませんが、スピニーイールはまるでダトニオイデスのように飼育者に反応します。特に東南アジア産種は馴れてしまうと砂に潜る事も無く、引っ切り無しに飼い主の様子を探ろうとします。ニョロものマニアに高い人気が有るのも、その類の他種が余りにも馴付かない為、非常にに目立つ存在である為です。
 飼育・管理:水槽サイズはMastacembelus属には最終的に90cm規格水槽以上が必要ですが、Macrognathus属には終生60cm規格水槽で充分です。混泳は他科のものなら問題ありません。実はスピニーイールの困る所は、同形同士ではつつき合う所で、これが元で飛び出しという結果も良くあります(但し多くは他魚がスピニーイールを苛め、その結果飛び出してしまう場合が殆どで、種類もレッドスピニーイールの飛び出し率が最も多く、砂に常に潜る種は飛び出しが見られません)。濾過槽の排水口が水面に接触していたり、水中に没していたりすると、そこから流れに逆らって濾過槽内に入り込み、取り出しに苦労する事も有ります。
 敷く砂は細かい川砂や、硅砂パウダーを敷いてやります。特に幼魚のうちは潜りたがる個体も居ますから。大礒砂は7厘でも肌を傷付けます。特にかび易い事は有りませんが、怪我はしないに超した事は有りません。  濾過は勿論強力なものが望ましいのですが、この濾過槽がらみの事故が最も多いです。先にあげた濾過槽浸入は上部濾過槽で起こるので、排水口を水面より5cm以上離すなど工夫が必要です。小型種・極細個体に多いのが外部式濾過槽のプレフィルターに潜り込み、身動きが取れなくなって死亡し腐ってしまう事故です。サイズに合わせて投入する器具は、決して潜り込めないものを選ぶ必要が有ります。
 東南アジア産種は中性を保てば良いのですが、アフリカ湖産・盲目種などは水質をアルカリに保ちます。決してpHが7.0を切らない様にして下さい。濾過材には珊瑚砂を中心に、セラミック系のものを3〜5割加えます。
 :何でも食います。赤虫を中心に、小型の内はドロマリンなど、成長したらペレットフードを与えます。与えるだけ食いますが、肥満になり易いのである程度は給餌回数をセーブします。空腹になったからといって他魚は襲いませんが、スピニーイールは非常に餌採りが早い為、逆に他魚に怨まれない様に工夫します。浮く餌は片っ端から摘まんでしまう為、沈む餌を中心にするなどして下さい。
 病気:レッドスピニーイールは白点病・エピティリスを持ち込み易いので、購入直後は暫くトリートメントします。但し基本的には病気知らずですから、水槽に馴れたら全く心配は要りません。事故では濾過槽に居るのを知らずに長期間放っておいてしまい、見つけた時は骨と皮になっていたなどというというは、45cmのベアータンクに隔離し、糸ミミズを大量に撒いておきます。動く気力さえあれば2〜3週間で復活します。飛び出しは当然の事ながら早期に発見し、水に戻します。スピニーイールは餌の時間に限らず、飼育者が側にきたら必ず顔を出す性格なので、見当たらない場合は必ず確認するようにします。
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