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Q730:(04/Oct/2003) 永井仙一さん
 こんにちは太田様、永井仙一です。今回は、スレッドフィンパラダイス(以下フィンパラ)と深海魚について質問です。早速なんですが、フィンパラの繁殖は可能でしょうか?それと、雄雌の判断は、どこで見分ければいいのでしょうか?前回の質問でもあげた通り飼育方法だけでも曖昧な表現が多い魚なので、雌雄の見分け方・繁殖方法など載っている本は見たことがありません。もし可能でしたら、繁殖もしてみたいと思っていますので、よろしくお願いします。それと、もう1つの質問なんですが、深海魚らしい深海魚(例・チョウチンアンコウ、リュウグウノツカイ等)は飼育できないものでしょうか?(変わった形の魚が多いのと飼育者の1つのロマンとして!)よろしくお願いします。

A730:淡水棲の魚種については詳しいことはわかりません。同科のナンヨウアゴナシPolydactylus sexfilisはハワイにて養殖されており、これがそのまま応用可能かは不明ですが、雄性先熟の雌雄同体(つまり雄が小さい)・浮遊卵(多分)がポイントとなりそうです。繁殖の際は群れを成すので水槽は最低限180×90が必要でしょう。
 チョウチンアンコウは過去に捕獲された個体が、江ノ島水族館で8日間水槽内で耐えた(飼育レベルまでいっていない)記録があるのみです。魚体にかかっていた大変な圧力(生息場所の深度830m=水圧10m毎1気圧なので、83気圧・絶対圧は+1の場所から引き上げられることになる)を考えれば、飼育出来る個体を入手すること自体不可能です(更にトロール等であれば余計なストレスが倍加)。リュウグウノツカイに関しては飼育可能とされていますが(海洋アトラスには飼育ポイントが記述)、最終的なサイズとあの行動パターンを見れば容器の容積がマンボウ飼育の何十倍も必要と思われます。湾でも仕切る覚悟が必要でしょう。


Q729:(03/Oct/2003) 岡本さん
729.jpg 始めまして。お魚マガジンの各コーナーを以前より参考にさせて頂いております。先日より我が家のオスカー(成魚)に病気らしい兆候が現れ、始めてのことで戸惑っております。是非宜しくお願い致します。三日前この魚を他の水槽から移し変えたのですが、その翌日から背びれや尾びれに白点病に似た白い点が現れ始めました。白点にしては少し大きい気がしたのですが、とりあえずマラカイトグリーンで一日様子を見たところ点が写真のように大型化し(現在大きいもので2ミリくらい)、数も増えています。他の特徴としてはこの点が鰭の両側に左右対称に突き出ていることや、点の中にはにきびのように中心部が赤く周囲がゼリー状になっているものもあることなどです。魚の行動は普段と変わらず食欲も旺盛です。調べてみたところ海水魚には似たような症状のウイルス性の病気があるようですが、淡水魚では該当するようなものを見つけられませんでした。この病気の原因と対処法を教えて下さい。また、伝染性はあるのでしょうか?現在このオスカーは単独飼育ですが、水換えのサイフォンやホース等を共用した場合、ほかの水槽の魚にまで病気がうつってしまわないか非常に心配です。お忙しいところ誠に恐縮ですが、是非宜しくお願い致します。

A729:疑ったのはリムフォキスティス症と思われますが、オスカーにはまず発生しません。これが体表に散在・大型に膨張する場合はヘンネグヤ症B・各種微胞子虫症なども考えられるのですが、発生部位・形状・画像からは読み取れないメール内の状況(移送)・解説から推測するに恐らくカラムナリス病の初期型と思われます。本疾患は環境病なので伝染性は強くないのですが、他の疾患の可能性も考慮(前出微胞子虫のシストであれば、この中に無数の胞子が充満している)して網やサイフォンなどは別にした方がよいでしょう。現在個体の体力が十分あるようなので(だから一気に鰭が崩壊しない)、適切に対処すれば早々に回復すると思われます。カラムナリス病の詳しい対処法は「FAQ」に有ります。病状が進行を続ける・一向に回復しない・予期せぬ他の症状が出現したなどの場合は再メールを。尚、今後は必ず水質データも併せて送付して下さい(「メールを送る前に」必読)。


Q728:(01/Oct/2003) kazuさん
 oota様 こんんちは。昨日、質問をさせていただいたkazuです。少し、質問に不明な点が有ったので、付け加えてもう一度、お伺いさせていただけませんでしょうか。以前に見た記事と言うのは「大きくしたければ成長を止めないことである。すなわち大きくなる時期に大きくする事。例えばエンドリケリーの幼魚を10cmから育てる場合、あまり餌を与えないと3ヶ月くらいたっても20cmに満たず、豊富に餌を与えられたものは20cmを超える。この成長期の遅れは後々まで響くので、できるかぎり一気に成長させたい。幼魚は最初の1年が勝負といえ、ここで一気に大きくしたものは順調に成長していく。大きくしたければ店での長期の売れ残りは避けた方が無難。」というものでした。これはやはり、本題のヨーロッパオオナマズ(アルビノ)にもあてはまるのでしょうか。180cm水槽で1メートルまで育てば御の字ですが。お忙しい中、何度も恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

A728:そういう意味でしたら勿論当てはまります。ただ見かけ上骨格の異常・鰭の変形などが見られない場合、ポリプテルスなどと異なり餌を与えると一気に成長する可能性が本種にはあるのですが、ケースバイケースですので断言は出来ないのです。また、その時期の影響が水槽内マックスサイズに如何ほど影響を与えるのかも何とも言えません。参考までに同属(Silurus)の我が国のナマズの場合ですと、おたまじゃくしみたいにがりがりの個体にふんだんに餌を与えると、あっという間に体型が戻るばかりかぐんぐん成長するといった話はよく聞きます。


Q727:(30/Sep/2003) kazuさん
 oota様 こんんちは。以前に一度、質問をさせていただいたkazuと申します。お忙しいところ、恐縮ですが、よいアドバイスをお願いしたく思います。実は、アルビノヨーロッパオオナマズの事ですが、丁度、一年くらい前に、とあるショップに入荷がありまして、その時に飼ってみたいと思いましたが、家や水槽の事情もあって、その時は断念しました。そしてその時は諦めたのですが、先日、久しぶりにその店へ行ったところ、まだその個体が売れ残っていまして(それ以後の入荷はおそらくないと思うので)今なら飼えるので、買おうかどうか迷っています。というのも以前に雑誌で「大きくしたいなら売れ残った個体は避けるべき」と読んだ事が有ります。好きな魚には違いないのですが、やはり将来的には180cm位の水槽でメートルクラスにはしたいと思うからです。アルビノとはいえ、天然では3メートルを超す種類なので、多少餌を抑えられても、その心配はないなら是非、飼育したいと思います。なにか良いアドバイスがあればよろしくお願いいたします。

A727:雑誌の記事の意図は「何かしら問題がある」という意味だと思いますが、前後の文章がわからないと何とも言えません。障害・疾患などを指してはいると思われますが、本種の場合は成長サイズそのものが「問題」な為に売れ残っているのでは(断定出来ませんから自身でよく確認・ショップ側にも問い合わせを)。500cmに達するというサイズの件ですが、現地(割と寒い地方)では300cmも稀な魚種で、通常は100cmといったところです。餌の量よりも水温を低めに保つ(保温しない)ことにより、180cm水槽で十分飼育し切れる魚種です。


Q726:(26/Sep/2003) 永井仙一さん
 お久しぶりです太田様、永井仙一です。いつものように今回も、スレッドフィンパラダイスについてです。以下(フィンパラ)今回メールさせて頂いたのは、自分なりに調べた結果、フィンパラには2種類あってノーマルタイプ(遊離刺条7対)と18スレッド(18対)と呼ばれるものがいる事が分かりました。18の方は、淡水で飼えるとの意見がネット上では沢山あったのですが、詳しい飼育法・ノーマルフィンパラとの飼育の仕方の違いなどは詳しく書いているところは無く、本屋で飼育法の載っている本を探してみても、この魚について述べている本は少なく、載っていたとしてもやはり曖昧な表現が多て、よく分かりません。そこで質問なんですが、フィンパラ7対・18対の飼育の仕方に、大きな違いはあるのでしょうか?それと、18対の方も海水で飼う事は可能でしょうか?長くなりましたが、詳しい情報がほしいのでよろしくお願いします。

A726:パラダイススレッドフィンPolynemus paradiseusの属するPolynemus属には現在8種が記載されていますが、遊離鰭条数10対以上のものはPolynemus multifilisだけです。multifilis種は海水には進入しませんので、海水での飼育は避けるべきです。但しPolynemus属中こちらで確認出来ない種が2〜3種有るので、multifilis種の胸鰭遊離鰭条数の幅でなければそちらの可能性も考えられますが、それでも確認出来なかった魚種のほとんどは淡水棲です。(追加2011/05/15):fishbaseに同定に必要な本科魚種のデータがあります。探してみて下さい。


Q725:(25/Sep/2003) ぽっち君さん
 先日質問させていただいたファイヤースピニーイールの事なのですが、今は90cm水槽で飼育しております。餌は、赤虫しか食べてくれませんが長い目で見て慣れさせるつもりです。ここからが質問なのですが、水槽の前を人(家族)が通ると水面付近に出てきてガラス面に鼻を押し付けてくるカワイイ奴なのですが、(おそらくそれが原因で)鼻の所が少し(擦れて)白くなってしまっているのですが、問題はないのでしょうか?そして対策などあったら教えて下さい。お願いします。

A725:生命に問題は生じませんが、見かけは相当悪くなります。擦り付けの対処法は更に水槽を広くすることです。動ける範囲が確保出来れば吻端だけを擦り続けることは無くなります。


Q724:(25/Sep/2003) ujiieさん
 初めまして。お忙しいところ申し訳ありませんが、ご相談させてください。3歳4ヶ月の和金(体長18センチ)を40センチ水槽(32リットル)、水温26度で単独飼育しています。9月6日に金魚の口とひれの付け根が内出血のように赤くなっていたので、水質検査をしたところPHが4くらいで亜硝酸も悪い状態でした。ペットショップに相談に行きPHを7.5に近づけるようにとPH安定剤を入れ、毎日4分の1の水換えをするように言われ実行しました。(PH安定剤のタブレットは取り出しました。)水の状態が良くなっても病気が治らないので16日に「グリーンFゴールド顆粒」を約0.7グラム入れました。症状がそのままなので、21日に2分の1の水換え後に0.5%の食塩浴になるように塩を入れました。まだ今日の時点でも赤みがひきません。他の薬を使ったほうがいいのでしょうか?6日から餌は絶食させています。金魚は餌を探し、欲しがっていますが薬の治療中は絶食させたほうがいいのでしょうか?

A724:ショップの指示は正しいものです(エロモナス関係は環境病なので、環境改善こそが最も重要)。劣悪な環境に長期間曝されてきたのですから、目に見える効果は出難いものです(病状が悪化していないならば取り敢えず成功とする)。治療法を頻繁に変えてもよい結果など出ませんから現状で様子を見るべきですが、絶食という転覆病以外のトラブル解決に無意味な対処方法は直ちに中止します。貴方自身が病気になったとき絶食させられたらその後どうなりますか?疾患に対する抵抗力と体力は無縁ではないのです。


Q723:(19/Sep/2003) 坂本さん
 どうも初めまして、坂本と申します。私は今、ポリプテルス・オルナティピンニスを飼育しているのですが、その水槽の中には掃除役としてカワニナをいれています。 しかし、私は今までカワニナに高確率でジストマが寄生しているとは全く知りませんでした。何匹か食われたり、死んでいたりしていますがオルナティに寄生していたりすることはあるのでしょうか?よろしくお願いします。<(__)>

A723:カワニナはジストマ類の宿主として知られており、更に淡水性黒点病の原因生物である横川吸虫が存在する可能性も有ります。アフリカ産のポリプテルスにどれほど影響があるのかはよくわかりませんが(大型肝臓ジストマClonorchis sinensisはコイ科が主な中間宿主、横川吸虫Metagonimus yokogawaiはアユやシラウオなどのキュウリウオ類)、ある程度グループに幅が見られることから、カワニナをタンクメイトとすることはリスクが大き過ぎるといえます(自然環境下では寄生虫に取り付かれている割合が高いものとはいえ)。ちなみにヒメモノアラガイ類に存在する肝蛭Fasciola spp.(3種ほど確認されている)とは別物です(水草食で感染するという奴)。一旦感染してしまったらどの寄生虫も魚病薬で駆除することは出来ません。餌として処分する場合には加熱が安全ですが、矢張り廃棄が適当でしょう。


Q722:(18/Sep/2003) okumuraさん
 いつも色々と勉強させて頂いております。先日購入した魚の素性について(天然の突然変異なのか、人口種なのか等)お聞きしたく質問させて頂きました。是非よろしくお願いします。購入したのはブルーメタルシクリッド(8cm)という魚とコバルトブルージャックデンプシー(5cm)という魚をそれぞれ1匹ずつです。90X30X36水槽でシルバーシャーク(6cm)、オレンジフィンカイザープレコ(5cm)と飼育しています。コバルトブルージャックデンプシーの写真を添付しました。見て頂ければお分かりのように体型や顔、ヒレの伸び方などジャックデンプシーとは少し違う気がしますし、性格も活発ですが非常に大人しく攻撃的な面は全くありません。食欲も普通にありますが他のシクリッドのようにガツガツするわけではありません。もう1方のブルーメタルシクリッドの方は、名前こそ違えど正にジャックデンプシーの全身青メタルバージョンと言った感じで、体型から餌食い、性格、泳ぎ方などどう見てもジャックです。餌はなんでもバクバク食います。ショップでは仕入先が教えてくれなかったという理由でこれらの魚の詳しい情報は得られませんでした。ネットで検索したところ日本語では何も見つかりませんでした。ブルージャックデンプシーは海外では30ドル前後でそこそこ出回っているらしくいくつか解説しているサイトもありましたが、突然変異だとする説、ブラジルの某という老人が交配で作り出したとする説、ワイルドもいるという説など眉唾っぽいものが多くよく分かりません。これらは一体どういう成り立ちの魚なのでしょうか?飼育上特に注意する点はあるのでしょうか?どれ位大きくなるのでしょうか?是非教えて頂ければ幸いです。

A722:海外では(Electric) Blue Dempseyの名称で知られるものですが、業界では東南アジアでの改良品種で通っています。これまでのシクリッドの品種改良の傾向からみても間違いないと思われます。飼育下(他の改良品種とのかけ合わせ・かけ戻しが普通)に出現した変異個体の固定化でしょう。これを改良したのが誰かまでは判りませんが、養殖元と異なる地域の住人の可能性も否定出来ません(東南アジアは生産のみということになる)。飼育に関してはノーマル個体となんら変わるところはありません。サイズも基本型と著しく異なることは無い筈です。
 注意!:貴方の画像では無いと断り書きが無ければそのまま当ウェブサイトに掲載してしまいます。当方は代表的なシクリッド関連専門のウェブサイトをほぼ100%チェック済みなので今回は回避出来ましたが、画像の無断転用(その意思の有無にかかわらず)は著作権がらみのトラブルを引き起こしますので、絶対に他のウェブサイトの画像をメールに添付しないで下さい(ネチケット以前の問題)。メールには貴方自身が撮影したもののみ貼り付けるようにして下さい。


Q721:(16/Sep/2003) jun-iryuさん
 お久しぶりです、太田様。今回はアカメの事で質問があります。うちのアカメの目が白く濁っているので、他のホームページでいろいろ調べていると似たような症状を発見いたしました。ですが、同じような病気がいくつかありまして、どれがアカメの病気か分からず困っています。アカメの病気の種類をお教え下さい。ちなみに、アカメのサイズは15cm程で、水槽は60×30×36です。あと、半海水の汽水で飼育しております。よろしくお願いします。
[追加分]すいません太田様。「メールを送る前に」を読んでいませんでした。病気発生の時期は今から1週間ほど前です。水質なんですが、私は測定する道具をもっていませんので分かりません。すいません。ほかの混泳魚はいません。濾過装置ですが、底面式と水中フィルターを使用しております。水換え頻度は2ヶ月に一回ほど全量を変えています。どうかよろしくおねがいします。

A721:水質を測定したことが無いようですので、測定すれば判明するであろう汚染によるストレスと思われます。更にどちらの濾過装置もメンテナンスが面倒なので目詰まりを起こし易いものです(濾過が機能しなければ有害物質が魚を冒す)。水換え法もよくありません(以上全て「メンテナンス」の項を参照)。アカメなどのパーチ類は余程のことが無ければ病気には罹りません。

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