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最新の分類について

淡水カサゴ・ライオンフィッシュ・汽水ハゼ管理法



淡水カサゴ管理法

ライオンフィッシュ管理法

汽水ハゼ管理法




淡水カサゴ管理法

 種類:淡水カサゴは、未だにハオコゼと言う名称が与えられないまま、広く知られています。この仲間は何種類も有りますが、輸入されるのは只1種のみです。非常に成長遅く、水槽内で3cmを越えるのは稀です。
 飼育・管理:塩分は必須で、純淡水での飼育は不可能です。塩分は濃ければ濃い程よく、出来れば半海水程度にまで引き上げると良いでしょう。純淡水中ではへろへろになり、すぐに死亡してしまいます。石巻き貝と同様の現象と言えば御分かりでしょう。
 濾過材は珊瑚砂を5割以上配合します。pHは8を目標に設定します。アクセサリーに流木は不適です。水草も塩分がネックとなる為、植える事は出来ません。底砂は細かい硅砂・珊瑚砂を用います。水替えは週一回ペースで充分です。
 同種同士は闘争しますが、兎に角サイズが細かい為、さほどダメージは受けないようです。従って60cm水槽なら10匹前後収容可能です。
 他種との混泳ですが、背鰭の毒棘が有る為、相当強い魚種との混泳が可能です。しかし動きが緩慢な為、全ての餌を横取りしてしまうような種は避けます。また、モノダクティルス・フグなどは、ひらひらした鰭を齧るので混泳できません。
 :なんでも食うので、困る事は有りません。購入直後のミニ個体には冷凍ブラインシュリンプなどを与え、少々慣れてきた頃から赤虫と配合飼料に切り替えます。小魚を与えても良いですが、喉が狭い為極小アカヒレ・グッピーの仔魚等を与えます。常に入手できる物でないため、通常は赤虫が良いでしょう。



ライオンフィッシュ管理法

 種類:ライオンフィッシュはヒキガエルウオ目(Batrachoidiformes)に属する、汽水・沿岸部に分布するアンコウ目(Lophiiformes)に非常に近縁な仲間です。外見から本属はカサゴ目に近縁と間違われます。実際ダルマオコゼなどに形態が似るため、無理も有りませんが。色彩が地味ながら非常に人気が有ります。
 この仲間は我国に分布していないため、情報が非常に少ないのが実状です。そこでここではこのグループについての詳細情報を掲載し、飼育・繁殖についてのヒントとしてもらおうと考えます。

TOAD FISHES:Batrachoidiformes
 3亜目18属70種前後が確認されています。
 分布域は地中海・アフリカ全域・インド洋全域・マレー半島・フィリピン・ニューギニア西部・豪州北部・極地付近を除く南北アメリカ大陸と非常に広いものです。
 生息地は沿岸部の浅海で、しばしば汽水域にも浸入します。一種のみ淡水性と有りますが、ライオンフィッシュはこれに該当しません。
 最大の種は<Batrachoides surinamensis>で、全長60cmにも達する怪物です。
 最小の種も10cmになる<Thalassophryne megalops>です。
 美しい種としてはカリブ海に産する<Sanopus splendidus>があり、頭部に縞模様・体に雲班・そして各鰭は鮮やかな黄色で縁どられる派手な種です。<Sanopus astrifer>は濃い赤紫の地に、白い細かな班が散る落ち着いた美しさが有ります。
 我国に輸入される<Allenbatrachus grunniens>は、東南アジアからインド洋一帯にかけて分布する普通種です。20cmほどになります。色彩的に地味ですが、黒班が非常に濃いので、水槽の岩・底砂を白い珊瑚で統一すると非常に映えます。シェルターを必須とするので、珊瑚岩等を組み上げ、隠れ家を作ってやります。
 ちなみにBatracho・phryne共蛙の意味が有ります。Toadは蟾蜍の事です。
 本目魚種は生命力が非常に強く、個体によっては丸一日水槽から飛び出していても生存する事が出来ます。ナマズ目のClariasの様に這って陸地を移動する事も記録されています。
 鰓蓋と背鰭に棘を持ちますが、背鰭の物は短いので目立つ事はなく、皮下に埋没する事も屡です。唯一南米産のThalassophryne属のみ危険なため、取り扱いに注意します。但しオニダルマオコゼのように、致命的な物では有りません。
 貪欲で、魚は勿論、甲殻類・棘皮動物(カシパンなど)・頭足類まで食うと言われています。単独性ですが、繁殖期には群れを成す場合が有ります。
 繁殖期は夏で、雄は巣をこさえた上で雌を呼び込みます。卵は非常に大きく、20〜100個と言う小産です。卵塊をなしており、巣の壁などに張りついています。雌は産卵後巣を離れ、戻る事は有りません。雄は巣を離れず、ずっと卵塊を守り続けます。その間雄は餌を取りませんが、恐らくは育児期間食欲を失う事により、共食いを避ける意味合いが有るのでしょう。卵は早い時期に孵化し、卵黄嚢を持った仔魚が床に集まります。3週間前後は卵黄嚢が持つため、仔魚は採餌を行いません。自由遊泳を行うようになっても仔魚(稚魚)は雄にまとわり付き、殆どシクリッドの子育てを見るようです。

 単独飼育ならば60cm規格水槽、何かを混ぜるなら90cm規格水槽、繁殖を狙うなら120×60×45〜30cm水槽が良いでしょう。
 輸入されるライオンフィッシュは汽水〜海水産のため、純淡水で飼育するとあっという間に水黴が付いて調子を崩し、肌荒れ・潰瘍を起こして死亡します。必ず半海水以上の塩分濃度を与えます。餌は口に入るサイズの物なら、何でも食いますが、そのため混泳には全く向きません。逆にミドリフグなどは虐めモードに入るため、これも避けます。シックスバーダトニオ・カルボナンダスも目の敵にするため無理です。ドラゴンフィッシュなどは殺されてしまうでしょう。岩組みを多くすれば、モノダクティルスやジャイアントグラスパーチならば可能です。但し、モノダクティルス・セバエは気が荒すぎるため駄目です。鉄砲魚は良いでしょう。大型のヨツメウオも問題ありません。
 濾過槽は塩分を強く含ませるため、市販のモーターでは使用できない事が有ります。必ず淡水・海水兼用の機種を選びます。濾過材は全て珊瑚砂にします。水替えは週に一度、規則正しく行います。塩分濃度が薄いほど、水替えも頻繁に行わないといけません。




汽水ハゼ管理法

 種類:汽水ハゼとしては数種が輸入されており、一部に支持されています。
 @マレーゴビー<Oxyeleotris marmoratus>:50cmに達する超大型ハゼ。非常に色彩は地味ながら、30cmを越える頃には大変な迫力が出て来ます。
 Aナイトゴビー<Stigmatogobius sadanundio>:10cm前後。青白く美しい種です。
 Bクレイジーフィッシュ<Butis sp.>:10〜20cm。対して美しい魚種ではないが、その行動に興味を引かれる種です。
 Cスリムマッドスキッパー<Parapocryptes serperaster>:30cmほどになります。底棲のトビハゼ。
 Dバンブルビーフィッシュ<Brachygobius doriae>:2〜4cmと最も小さな鑑賞魚の一つです。タイガー模様の美しい超小型種。
 Eパープルガジョン<Mogurnda sp.>:10〜30cmになる重量級の大型ハゼです。オセアニアに分布する、赤紫班と蛍光青の散る美しいグループです。
 Fピーコックガジョン(アイスポットスリーパー)<Tateurndina ocellicauda>:4cmに満たない小型さと、赤・青・黄を散りばめた体色から、アピストグランマに比較称される種です。
 Gドラゴンフィッシュ<Gobiodes broussonetti>:50cmになる大型種ですが、細長いので圧迫感は有りません。。我国でも見られるワラスボの仲間です。
 飼育・管理:塩分を全く必要としないマレーゴビー・バンブルビーフィッシュに関しては、純淡水魚と同様の扱いで管理できます。ナイトゴビー・ピーコックガジョンは塩分が有った方がより美しいものの、純淡水での長期管理は不可能では有りません。クレイジーフィッシュ・ドラゴンフィッシュに関しては、必ず塩分を加える必要が有ります。純淡水で管理すると、餌を食っているにもかかわらず痩せていったり、鰭に黴が付いたりします。
 バンブルビーフィッシュ・ピーコックガジョン以外の種は、同種同士の混泳は出来ません。非常に縄張り意識が強く、常に闘争を繰り返すためです。大型のマレーゴビーでは、その破壊力は並大抵の物では有りません。他種では形態さえ違えば可能ですが、水槽の充分なサイズが必要です。そこもの同士の共存は出来ません。
 水槽は単独飼育であれば、60〜90cmの規格水槽が良いでしょう。
 :配合飼料を好まないため、生餌や冷凍餌が中心になります。通常赤虫を中心で構いませんが、ドラゴンフィッシュは消化不良を起こすため、成体の冷凍ブラインシュリンプなどをフレークなどと混ぜて与えます。バンブルビーフィッシュ・ピーコックガジョンには孵化したてのブラインシュリンプが最適です。彼等にフレークは有効ではありません。マレーゴビーは生餌から配合飼料まで、貪欲に食います。クレイジーフィッシュは、対象が動かないと余り興味を示しません。
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