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最新の分類について

レインボーフィッシュ管理法

 レインボーフィッシュとは:名は知られているものの、何故か我が国では全く人気の無いレインボーフィッシュですが、彼らが一体分類学上どの位置に有るのかとなると、全く知られていないのが実状です。
 古い書物ですと、スズキ目スズキ亜目トウゴロウイワシ科の魚と短く載っていますが、現在ではメラノタエニア科が独立し、その科に殆どが属し、形態の似た種が幾つか各科に属しています。
 メラノタエニア科は全てがレインボーフィッシュで、6属50種以上があります。吻端が尖るのが特長で、歯の形状から各属が分けられています。豪州・ニューギニアの淡水域に分布する小型魚で、Melanotaenia属・Iriatherina属は両地域に跨って分布しています。Glossolepis属・Chilatherina属はニューギニアに限局分布、Cairnisichthys属・Rhadinocentris属は豪州東部にそれぞれ分布します。本科最大の特徴は雌雄差が明瞭なことで、繁殖は狙おうと思えば容易です。
 Melanotaenia属は30種が有り、通常レインボーフィッシュといえば彼らを指します。色付イワシといってしまえばそれまでですが、なかなか美しい輝きを持っています。オーストラリア・ハーフオレンジ・バンデッド・ネオンといった種が主に見られます。
 Iriatherina属はニューギニアレインボーを指しますが、呼び名が不適切な為、分布域に混乱をもたらします。英名のスレードフィンレインボーと呼ぶべきでしょう。説明不要の超有名種で、レインボーマニア以外にも広く親しまれています。
 Glossolepis属はコムスケールレインボーが有名です。鮮やかな鉄錆色は、まるで金魚のような異様さを醸し出します。雌雄がこれほど異なる色彩の種も珍しく、ペア売りのショップでは、雄が死ぬと大混乱です。
 Chilatherina属は見かけ上Melanotaenia属と殆ど変わりません。殆ど流通していません。
 Cairnisichthys属は豪州におけるマダガスカルレインボーとでもいった所で、少々地味な種です。
 Rhadinocentris属はやや通常のレインボーフィッシュから外れ、ブルーアイに似た種が有ります。我が国には来ていないのではないでしょうか。
 シュードムギル科はメラノタエニア科に近縁で、統合する意見も有ります。ブルーアイと呼ばれ、我が国ではポポンデッタとして知られています。レインボーフィッシュよりも更に小型で、5cmに達しません。淡水・汽水域に分布しています。3属が有り、Pseudomugil属には人気種のポポンデッタレインボー(Popondichthysは異学名)があります。他の2属KiungaScaturiginichthysは我が国では全く知られていません。
 テルマテリナ科は4属が有り、うちTelmatherina属にはセレベスレインボーが有ります。全ての種がグラス系で、少々地味なものです。
 Phallostethidae魚種はプリアピウムフィッシュと呼ばれ、世界的な珍魚として知られています。このグループの雄個体は喉に生殖器を持ち、これが触手のように見える異様なものです。体内授精を行い、腹鰭にも同様の器官を持ちます。世界最小の魚Phenacostethus smithiもここに属します。
 トウゴロウイワシ科にはマダガスカルレインボーが有り、研究者によってはこれをベドティア科として独立させることも有ります。質素でありながら美しく、人気のある種(レインボーとしてはですが)です。もう一つ、ClaterocephalusQuirichthys)属はイエローレインボーとして知られます。
 飼育管理:彼らについて特殊なポイントは全く有りません。いわゆる通常の鑑賞魚の管理で充分です。唯一混泳相手に注意するのがIriatherina属とブルーアイの仲間で、テトラの仲間は追い掛け回したり鰭を齧ったりする為、単独で管理するのが良いでしょう。
 エサ:ノープロブレム。
 病気:まず罹りませんが、発生した場合は塩分を与えるだけで良いでしょう。汽水魚飼育の感覚で行います。
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