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最新の分類について

電気ウナギとその近縁種管理法

 種類:アマゾン川流域に分布する、電気ウナギを頂点とするナイフフィッシュの仲間は、その特異性から分類に混乱を来してきました。余り本亜目の知られていなかった以前は、コイ目電気ウナギ科に含められていましたが、後独立した電気ウナギ目が立てられました。しかし現在ではナマズ目電気ウナギ亜目とされるのが、一般的なようです。
 電気ウナギ亜目には、6科(Apternotidae・Electrophoridae・Gymnotidae・Hypopomidae・Rhamphichthyidae・Sternopygidae)25属85種があり、稀にショップでも幾種かを見ることが出来ます。水族館で定番といえるほど見かけるのは、電気ウナギElectrophorus electricusで、和名・学名でも目立つ通り、発電魚として広く名を馳せています。本亜目中1メートルを超えるのは本種のみで、稀に2メートルを超えます。物怖じしない性格なので、展示には向くのでしょう。
 ショップの定番といえばブラックゴースト(ナイフフィッシュ)Apternotus albifronsで、その形態の奇妙さ・行動の異様さ・そして美しさは絶品です。
 非常に稀にブラウンゴーストApternotus leptorhynchus・グリーン(グラス)ナイフEigenmannia virescens・モトルドナイフSteatogenys sp.・トランペットナイフRhamphichthys rostratus・アーティディナイフHypopomus sp.などがショップで見ることが出来ます。
 飼育管理:電気ウナギは大型になる為、120cm以上の広い水槽を必要とします。但し水深は要りません。空気呼吸を併用する魚種の特長として、飛び出し・脱走には十分注意します。非常に力が強い為、ガラス製品は使用しません。本亜目は全ての種が発電しますが、体感できる種は本種のみで、しかも相当強烈です。見掛けに依らず人に馴れる為、広い水槽ですと苔落しで手を入れても放電してきませんが、狭い水槽ではドンときます。死ぬことは決してないものの、舌に電池を付けたあの感触が、手の骨に来るのを想像してもらいたいと思います。生餌を与えていると、更に放電頻度が増します。出来れば死に餌・配合飼料で無事に管理したいものです。サーモスタット・ヒーターなどの電気器具は、直接は見たことが有りませんが、相当ダメージが来るものと思われ、出来ればエアコンなど室温で管理する方が良いでしょう。モーターは停まっても、翌日に発見できれば大丈夫です。
 肉厚の中型種Gymnotus属は、90cm水槽が良いでしょう。動き回りますが、身体がしなやかなので広さを要求しませんから。勿論、広いに越したことは有りませんが。
 他の小型種は60cm水槽で充分です。但し空気呼吸をしませんから、エアーレイションを充分に行うか、上部濾過槽を取り付けて下さい。
 餌:基本的になんでも食いますが、生餌(ベントス)の割合を半分位混ぜます。配合飼料のみですと、寿命が明らかに短くなる為で、冷凍もので構いませんから、与えるようにしましょう。
 混泳:基本的に無理です。電気ウナギ・Gymnotus属に至っては、同種・異種とも混泳不可能です。プレコすらひっくり返して腹を食い破ってしまいます。
 ブラックゴーストやブラウンゴースト・グリーンナイフは、気が強い為同種同士・小型魚との混泳は出来ません。但しドラスや大型カリクティス、プレコならば問題ありません。逆にシクリッドや大型カラシンには虐められる為、混ぜない様にします。
 トランペットナイフやモトルドナイフなど、常にぱたりと倒れている種は同種同士混泳させてもさほど怪我をしません。勿論いさかいは有るのでしょうが、それが余り目立たないといった所です。昼間は本当に転がっているだけなので、プレコ等には舐め付かれてしまいます。ハチェットなど決して水底に降りてこないような小型カラシン、リーフフィッシュ・バンジョーキャットなどが良い混泳相手になるでしょう。
 この他にも数種見かけることが有ります。まず性格は陰湿であると考え、いきなりの混泳は避けましょう。Hypopomus属の仲間などは顎が強く、ビニール袋を食い破ってしまうほどです。
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