←←←(メインページへ)

最新の分類について

エイ管理法


アマゾン産淡水エイ
(05/23/'98)

汽水・海産エイ
(05/25/'98)




アマゾン産淡水エイ
 淡水エイ:完全な円盤型・楕円形・海棲アカエイの特徴を持つものの3型に分けられます。飼育の容易さもこの順です。様々なタイプ違いが有りますが、それは好みで。
 入手・選択:最も肝心なのがこの入手・選択法です。飼育成功の合否はこれにかかっているといって良いでしょう。以下に絶対選んではいけない個体の特長を挙げておきます。参考にして下さい。騙されてはいけないのは、以下の状態でも餌はがんがん喰う個体も良くいる事です。餌喰いなどはエイの健康状態の鑑別ポイントにはなりません。
 その@縁が反っている:水質の悪化で最も目立つ症状がこれです。
 そのA眉間が落ち窪んでいる:水質悪化・特に酸性が強すぎるとこの症状が出ます。眼球と眼球の間が、正方形に落ち窪むだけなので見過ごされがちですが、何がなんでも確認しなければいけないポイントです。
 そのB白い膜を被っている:死の直前といって良いいわゆる死相です。まさかこの状態で購入する人がいるとは思えませんが、念のため。
 そのC尾が途中で欠落している:通常の魚の尾と違い、脊椎に直結した部分が損傷している事が多く、敗血症等で死亡する事は目に見えています。エイには薬品が使えないので、これを治してやろうなどとは思い上がらない事です。
 そのD腰骨が出ている:唯一もしかして回復するかもしれない症状です。ショップでこれが収まったら購入すると約束して、回復に努めさせるのも手です。あなたもショップも、何よりもエイにとっても良い解決法でしょう。とにかくすぐに買ってしまわないこと!です。よく観察しましょう。
 その@〜Cはもはや手後れで、回復の見込みは有りません。あなたの水槽内でも症状が出てしまったら、残念ですが諦めるより他有りません。なぜこうなってしまうのか、といえばエイは飼育水の強酸性化に非常に弱いためです。多くは輸送法に問題が有り、モトロが強くヒストリックスが弱いとされるのは、高価なモトロは一頭ずつ梱包されてくるのに対し、安価なヒストリックスは数頭が同梱されてくるためなのです。擦れ合えば粘液も出ましょうし、何しろ彼らの尾には毒棘があるのです。輸送費をケチるその根性がエイを地獄に陥れているといって良いでしょう。ここは日本側が海外に抗議する位の気構えを持って然るべきと私は考えます(最近はどうなのかな)。
 飼育設備:良く言われるのが底面積の拡充です。勿論そうなのですが、円盤型のタイプは側面も行動範囲になります。特に馴れてくると水面で大騒ぎをしたがるものなので、余りにも水深の無い水槽(蘭鋳水槽など)は止めておきましょう。底砂は細かい硅砂や川砂を敷きます。楕円形のタイプは特に潜りたがるので必ず敷くようにします。その他のタイプには敷かないでもさほど支障は出ません。大礒砂は擦れを起こすので、余程大型の個体(直径60cm以上クラス)でも無ければ避けます。
 濾過槽は当然の事ながら強力なもの(上部式・外部式併用など)を用意します(底面は性質上不可)。濾過材にはpHの急降下を防ぐため、3〜5割の珊瑚砂を混ぜるのがポイントです。
 メンテナンス:水替えは週一回が基本ですが、pHが6.5を切るようでしたら間隔を短くします。エイは病気には罹りませんが、水質悪化で死相が出現したらもう助かりません。死相を出させない!ためにも定期的な水替えとこまめなpHチェックはかかさない様にして下さい。
 馴れないうちは、エイに手を近づけると、尾の毒棘を振りかざしてくる事が有ります。運悪く刺されて仕舞うと、錆びた釘を捻じ込まれたような痛みが走り、暫く(2〜3日、長い人は1週間くらい)それが続きます。馴れるまではエイの水槽の苔落しなど、相当注意しなくてはなりません。
 :エイは選り好みをしませんから、なるべく早めに配合飼料に餌付かせて、生餌との併用で栄養のバランスを取るようにします。最も悪いのは金魚単用で、栄養が片寄る上に噛み潰すため水の悪化が早まります。エイは馴れれば手から餌を取るくらい信頼してきますから、餌を切り替える事は非常に容易です。
 種類:種によってややポイントが異なります。
 ヒストリックス・タイプは肉の薄い地味な種です。販売時の状態が悪い事でもトップクラスですが、状態の良い個体は殆ど手間がかかりません。気の荒さはピカ一で、人の手に毒棘を振りかざす事が最も多い。
 モトロ・タイプは肉厚で、カラフルな水玉模様を持つ事から人気が有ります。大型になる種が多く、水槽容量を十分に取れる事が飼育の前提条件です。最も人に馴れ易く、手乗りエイの芸当も夢では有りません。全体的に大人しい。
 レティキュラータ・タイプは丁度ヒストリックス・タイプとモトロ・タイプの中間型のようです。肉厚さはモトロに、模様の単純さはヒストリックスによる感じが有りますが、性質はヒストリックスそのもので、他のエイを齧るなど悪さを良くするようです。
 ロングテールタイプは非常にに食が細く(餌付き難い)、飼育し難いタイプです。しかも高価なため、私も殆ど手がけた事が有りません。
 楕円形のものは混泳がストレスになるようで、単独で大事に育てると少しは反応を見せてくれます。餌は大きさの割に細かなものを好むので、餌喰いが見られないならその餌を半分のサイズに落としてみましょう。
 混泳:水質の維持が可能ならば、種を選びません。但し事故としてドロイの肉を削ったり、スピニィイール等のウナギ型の魚種に飛びかかったりする加害者となる反面、ナイフフィッシュに尾を噛まれて骨折・昇天したり、サタンプレコに執拗に追われて蕁麻疹(?)が出てしまうなど被害者にもなり得ますから、何れの場合にも良く観察します。混泳に絶対は有りませんし、はじめは良くても時が過ぎるに連れ、不穏な状況になる場合も有りますから。


汽水・海産エイ

 種類:汽水に侵入するエイは、淡水産のものと同様アカエイ科のものが殆どです。アマゾン産・東南アジア産共に通常は海(沿岸部)に生息するものなので、これを純淡水・半海水程度の塩分濃度で管理しようとするのは、土台無理が有ります。川で捕獲されたといっても、勾配の緩い河川では相当奥まで海水が浸入する為、海産の魚種が河口から数キロ上流で見つかる事も、全然不思議ではないのです。
 海産エイには夥しい種が有りますが、大型の種・活動的な種(イトマキエイ、トビエイ、ノコギリエイ等)は矢張り水族館で見るものでしょう。通常のアカエイもよく見れば信じられないほど大型の種です。模様が美しいエイがショップによく並んでいますが、購入前に名前と最大サイズくらいは調べておくべきです。
 飼育・管理:通常の海水魚飼育システムで構いません。淡水産よりも大型になるので、水槽は勿論広めに。餌は何でも食います。混泳ですが、エイ同士ではサイズさえ合えば構いません。スナッパーなどは空間の有効利用になりますし、お互い襲い合う事も余り有りません(スナッパーやハタ類の混泳は、家庭用水槽の広さでは=たとえ300a水槽をもってしても=無理でしょう)。問題はサメで、ネコザメなどは大人しいのですが、エイの端を齧る癖を持つ傾向が有る為、避けたほうがよいでしょう。テンジクザメ・オオセの類なら大丈夫ですが、サイズ(特にオオセは成長が非常に遅いものの、巨大化する種類も多く、口が大きいので危険)に十分注意しましょう。いずれにせよ水槽は大きいもの(180×90a以上)が必要です。
inserted by FC2 system