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第101倉庫
(Q1010〜Q1001)



Q1010:(21/May/2010) Kazuさん
 はじめまして、よろしくお願いします。カエルアンコウを飼育しているのですが、1年飼育したものがいきなり浮いてしまいました。もともと泳ぎもせずアクビもしない、餌を捕食する際も身体は安定せず尻上がりになってしまうような感じだったんです。それが最近白点病にかかり、数日後完全に浮いてしまいました。今現在はバケツに隔離で毎日の水換えで白点はなくなりつつあり、アンコウも元気なんですが、浮いたままです。バケツには網目のプラケースをかぶせて捕まりどころを作って沈めています。アンコウがバケツ移動の際、空気を吸った場合はピンセットを腹まで差し込み完全に抜いています。自分から捕食もしない状態ですので、剥きエビを腹まで挿入してやってますが、ちゃんと消化しているようです。このカエルアンコウについて全く情報が無く、同じ飼育者に尋ねても内臓疾患だろうと。。。それだけなんです。金魚用のてんぷく快全液という商品を見つけたので、試してみようか思案中です。アンコウは浮いてますが元気なんで、なんとか出来るものならと思いご相談させて頂きました。よろしくお願いします。

A1010
 転覆病には感染性のものと餌由来(餌の腐敗で水やガスが発生)のものが有りますが、結局開腹しない限り原因を特定出来ないのが現状です。こちらにも海水魚の感染性転覆症状については手持ちの資料が殆どありません。まず、内臓にダメージを与える疾患(加えて平衡異常を示す可能性の有るもの)としてはビブリオ症・アクアレオウイルス感染症などが考えられます。ウイルス感染の治療方法は知られていませんが、細菌感染症に対しては抗菌剤の経口投与が効果を期待出来ます。また、これらの疾患は高水温期に発生しますので、水温26℃を上限とするなど設定してみて下さい(白点病が完治したら少し下げてみるのも良いかも)。餌が問題の場合は少し餌やりの間隔を空け、与える量も控えめにするべきです(上記感染症であれば、必ず他の目に付く症状が出現する)。魚体の空気接触を遮断するのは賢明な措置です。気中に出た部分は壊死を始めてしまいますから。例示された商品は初耳です。使用したことの無いものについては何とも言えません。使用した方のブログや掲示板を参考にした方がいいと思います。


Q1009:(20/May/2010) ふぐこさん
 太田先生、またお世話になります。30年ぶりくらいに淡水魚をちょっと飼ってみたのですが、早速に問題がでました。2週間ほど前にcelestichthys margaritatus ミクロラスボラ花火を5匹、通販で購入し、20 L水槽(1.004塩分、アルカリ性にするソイルでpH7.5くらい)にバンブルビーゴビー、エビ、バタフライレインボーフィッシュと同居させました。エサは食べていますし色つやも悪くないのですが、どうも尾びれが全体に腐蝕したような感じで、泳ぎ方がぎごちなくなっています。5匹ともです。小型ラスボラの尾が悪くなる理由はありますでしょうか(目下、塩分が悪いかなと思っています)。よろしくお願いいたします。

A1009
 ちぎった様子ではなく崩壊しているのならカラムナリス症(=尾腐れ病)でしょう。原因は擦過傷などです(二次感染)。塩水浴(現状の濃度は適当)は効果的です(薬浴させるのであればメチレン青)。ダニオ・マルガリタトゥスDanio margaritatus(=Fireworks rasbora, Microrasbora sp. 'Galaxy')は一般のラスボラよりも遊泳空間をとった方が(物理的・精神的にも)衝突しません。


Q1008:(09/May/2010) KYさん
 何度もすみません、KYです。Q1005でカエルアンコウについて有難うございました。無事赤い個体を購入しました。5センチくらいのチビです。前回のご回答で色褪せについて教えていただいたのですがまた疑問に思うことがあり、メールいたしました。現在まだ購入したてなので真っ赤な状態ですが、赤色が飼育下で褪せてしまう原因としてはどの様なものが考えられますか?原因を少しでも取り除いてみようと思うのですが・・。現在の飼育環境は水槽に砂(ボトムサンド)を敷き、素焼き赤レンガを1個つかまれる様にと入れて(赤い色なので多少は効果があるのではとも考えていました) 水槽の側面&背面は黒いバックスクリーンで覆っています。餌は冷凍ハゼ、メダカ、冷凍エビをピンセットから与えています。現在の環境で改善すべき点、また退色に対して何かできることがあれば教えてください。また前回の回答に例としてあげられていましたアカグツやフレームエンゼル、今回のカエルアンコウの赤い色は金魚やアジアアロワナのようにエビなどで維持する効果はありますでしょうか?給餌も毎日でよいでしょうか?現在一日一匹上記の餌を与えています。もうひとつお願いします。海水魚の管理方法について教えてください。教えていただきたいのはエゾイソアイナメマツダイの飼育方法です。適する環境(餌、適温、レイアウト)とこれらの種の性質をお願いします。また、マツダイとウツボの混泳は可能でしょうか?長文になってしまいもうしわけありません。よろしくお願いします。

A1008
 魚種によって要因は異なるでしょう。サンゴ礁の連中でしたら光量(紫外線量?)とか。餌の問題もあるでしょう(色揚げはやらないよりはやった方がよい)。しかし暗所の底棲生物の場合、色飛びは水槽壁面などの反射が原因ではないかと考えています(水槽のガラス・アクリルは勿論、バックスクリーンも反射)。展示・鑑賞用ですと強い光を与えてしまいがちですが、ヤギ類が密集しているような場所に棲む個体にはやはり不適でしょう。照明を控えめにする・水深をとるなどが効果あるかもしれません(太陽の差し込まない部屋は絶対条件)。90cm規格水槽に45cmのライトを縦置きとか、色々試してみて下さい。給餌は毎日少量ずつが基本です。特に待ち伏せ型の動きが緩慢な魚種は与え過ぎに注意します(食わせ過ぎると突然死の可能性有)。エゾイソアイナメPhysiculus maximowiczi(=チゴダラPhysiculus japonicusのシノニム)は管理法そのものはイタチウオと同じです。レイアウトは土管とか珊瑚岩を組み上げたものを。餌は口に入る生もの(死に餌可)。水温は25℃を超えないように(水深150m以下に生息しているので高水温は厳禁)。マツダイLobotes surinamensisは扁平パーチ(特にダトニオイデス類)と飼育方法は全く同じです。幼魚期は枯葉に擬体しますので、アク抜きした木片を浮かべたり木の枝を突き立てるなどしてやるといいでしょう(濾過槽の排水で水面を叩かないよう)。成長した個体にはシェルター不要、体を傷付けないよう変なものは入れない方がいいです。水温は26℃を超えない程度に(表層性なので高温には耐性あり)。ウツボとの混泳はよくありません。物陰に身を寄せることが出来ませんから。


Q1007:(05/May/2010) ふぐこさん
 太田先生、いつもありがとうございます。90センチの普通の海水水槽ですが、春とか秋の季節の変わり目にかならずといっていいほど、デバスズメがおそらくエロモナス菌にやられます(最初、ビブリオかと思っていたのですが、充血が一般に少なく、体に穴が開く場合が多いので、エロモナスかと思っています)。同居の他の魚(ハナゴイ、ベラ、ヤッコ、ギンポ、テンジクダイ。その他いろいろ)はまずやられないのですが、ただ、私が留守の間にデバが多数倒れるとおそらく水質悪化で貰い死に?することがありました。また、その長期旅行の場合を除き、デバだけみても全滅にはいたりません(かなり残っている状態で止まる)。どちらかといえば大きい方からやられます。それで、春秋はヒーターをちょっとたかめにして温度差に気をつけ、また、水質も気をつけています。エサも怪しいと思ったらテトラサイクリンをやります。でも今年もまた出てしまいました。11匹中、1匹はもう大きな穴が開いて死んで、1匹はおそらくもうダメ(エルバージュ漬けにして穴にカナマイシンを塗りました)、2匹、あやしいのを隔離してエルバージュ漬けにしています。体に白いスレのようなものが出て、はじめは食欲もあるのですが、だんだんおかしくなり、エサも食べなくなり、そのころにはスレも皮膚から筋肉までに広がります。死んだときに解剖してもそれほど内臓は痛んでいません。例外なく呼吸困難になるのですが、鰓はそれほど変に見えません。なにか、根本的に免疫弱いような感じがするのですが、どうしてやればよろしいでしょうか?
 続けて申し訳ございません。60のハゼ水槽(砂底)ですが共生はぜセットで買ったりっぱな6センチくらいのテッポウエビがいます。このエビが新しく来た魚を撃って食べているようです。カーリーが出たので、小さなチョウチョウウオを入れたのですが、これは(3回入れたのですが)すぐに殺されます(スカベンジャーが一杯ですが、それにしても死体があがりません)。ハゼの類は大体はやられないのですが、この間、新入りのハタタテが失踪しました。チョウチョウウオ以外にいろいろなハゼ以外の魚がかなり前にはいた(けどBrooklyna hostilisで、多かったカリブ系が全滅)のですが、いまはクロユリハゼ系を中心にハゼがぽつぽつです。なぜチョウチョウウオがテッポウエビにやられたかよくわかりません(穴にはいらないと撃たれないはずですが)。やられる魚種とやられない魚種がいるのも不思議です。やられやすい傾向でもあるのでしょうか(とりあえず2センチくらいの南米レオパードパファーの子供が心配です)。ひとまずテッポウエビは隔離箱にはいってもらっているのですが困っています。寿命が2年くらいかと思っていたのですが、2年は越しています。大きな魚ばかりいるベアタンクにいれても大丈夫でしょうか(魚も、エビも。ライブロックにパープルロブスターとかがくっついています)。

A1007
 症状はスズメダイの潰瘍性病変を引き起こすPhotobacterium damselae ssp.damselaeの感染・もしくはそれに類するビブリオ症(Vibrio spp.)でしょう。また、抗酸菌症でも大穴が開きます(内臓に異変無く発生の仕方から考えるに多分違う)。この手の疾患の同定は設備が無いと非常に困難ですが、エロモナス菌は関係無いと思われます。フォトバクテリウムの別亜種は5〜6月に多発するらしいので、基本亜種にもそんな性質があるのかもしれません。フォトバクテリウムに関して水産系で勧められているのはオキシテトラサイクリンです(処方は各製品のものに従って下さい)。抗生物質は海水に溶解させても効果薄ですから、経口投与と患部への塗布に集中します。確かにデバスズメにはよくこの症状が見られます。環境ストレスを排除(抗酸菌症には必須)するためにも十分な水量とうねりを用意し、殺菌灯の併用が望ましいです。鋏を持つ甲殻類は例外無く凶暴です(カニ・エビ・ヤドカリを問わない)。テッポウエビは穴から出ないわけではありません。環境に慣れれば水槽内を徘徊しますから、狙われた魚種に逃げ場はありません。エビの攻撃が有効かどうかは対象の生物によるので何とも言えません。しかし他の生物とのトラブルを避けるため、現在のような隔離した管理の継続は必須でしょう。テッポウエビを楽しむなら、相性の良いハゼのみとの水槽を立ち上げるべきです。


Q1006:(05/May/2010) なまちゃさん
 はじめまして。HNなまちゃと申します。いつもHP参考にさせて頂いております。今回、初めてテトラオドン・ムブの飼育を開始しました。水槽は60×45×45、エーハイムクラシックフィルター2213(少し流量不足でしょうか)の吸水口にテトラP−2スポンジフィルター、排水側には某通販サイトオリジナルの流動床濾過機を設置しており、2213の中にはエーハイム サブストラットプロとパワーハウスのハードタイプ、珊瑚砂(大粒)を各1リットル程度づつ入れております。(2213濾過槽内の濾材バスケットは外しており使用していません)。水温は24℃〜24.5℃くらいです。底床はガーネットサンドです。エアストーン使用で常時エアレーションしています。照明点灯は1日8時間のタイマー管理です。PHはテトラ社の液体の試験薬で、7.5より濃く、8.0より薄い程度です。アンモニアや亜硝酸は現在検出されません。水槽立ち上げは3月中旬、同時に別水槽にいたラスボラヘテロモルファとネオンテトラ、ラミーノーズテトラ(合計7匹)にパイロットフィッシュとして入ってもらい、4月の19日にムブ(10センチ程)を迎えました。購入ショップでは半年程滞在し、活き餌しか食べさせていなかったと言われました。1日目は餌を与えず、2日目には冷凍アカムシをちらつかせたり、「ひかりクレスト カーニバル」を食べさせようと試みましたが、全く無反応で、3日目にカーニバルをやや強引に口に押し付けたところ食べまして、そのまま同じようにして5本ほど食べました。その後は、カーニバルに餌付いてくれたようで、その後はカーニバルのみを与えています。最近は5センチほど離した前方にピンセットでカーニバルを持っていくと自分から寄って来て食べてくれるようになりました。また、混泳しているパイロットフィッシュ達に対しては全く興味も示さず、食べるどころか見えていないかのようでもあります。気になるのは、普段、いつも腹が床に着いた状態でおります。様子を見ていても、腹が床から離れるほどに浮くことはほとんどありません(1度だけ、つい最近に水槽の真ん中ぐらいの高さまで浮遊したことがありますがそれっきりです)。両側のヒレも完全に止まってしまっていることもありますが、目の前に差し出されたカーニバルを見つけると動き出して餌を取ります。もっと遊泳性の高い魚種だと認識していたのですが、こういうものですか?また、そうでない場合この状態はどういった原因が考えられるでしょうか。もう1点、糞はほとんど全てが茶色の塊なのですが、中に白くて細長いふよふよしたもの(アカムシの中身だけを吸い出して数本をつなげたようなもの)が混じる事があります(ほぼ毎日1本くらい出ています)。これは何でしょうか?また、前述の状態に関係がありますか?さらにもう1点、サイト内でのムブに関する記述に、最終的にはペレット状の人工飼料に餌付かせるようにと書かれていましたが、今食べている「ひかりクレスト カーニバル」の単用で問題ありませんか?より適した人工飼料や、併用すべきものなどありますか?以上、質問が3点になってしまい申し訳ありませんが、お知恵をお貸し下さい。よろしくお願い致します。

A1006
 フグ類に水流は必要ありません。十分な濾過能力があればよいのです。水を汚す(咀嚼)ので上部式との併用が良いでしょう。行動に関してはまだ環境に慣れない=飼育者を信用していない感じがしますね。そのうち姿を見ただけで突進してくるようになるので問題無いでしょう。慣れてきたら何でも食うようになりますので、その時に幾つかの餌に餌付けて食い飽き防止を図ります(配合飼料を数種で構わない。メーカーを変えるのが良)。配合飼料のみで問題は生じません。またムブは魚は好みませんから、与えるなら甲殻類(エビなど)や巻貝(咥えられるサイズのスネールなら何でも可。但し1度冷凍した方が安全)を。糞の方は問題ありません。全部白っぽいとか、どう見ても粘液だとか、何時までも肛門から離れず引き摺っているなどしていなければ気にする必要はありません(内蔵疾患の場合は外見が黒化・痩身を見せる)。


Q1005:(01/May/2010) KYさん
 こんにちは、ヌタウナギの件でお世話になりました。KYです。 ヌタウナギはあきらめることにしました。衝動買いしてしまう前に知れてよかったです。管理方法を教えていただき有難うございました。 また、教えていただきたいことがありご連絡いたしました。今回はカエルアンコウについてお願いします。カエルアンコウを飼育しようと現在調べているのですが、教えていただきたいのは色についてです。ショップではブラックやオレンジ等の色別にカエルアンコウが売られていますが、この色彩は生まれついたものなのでしょうか?それとも飼育環境で変化する(させる)ものなのでしょうか?現在赤色の個体を飼育してみたいと思っているのですが、飼育中に成長や環境の変化で他の色(赤→黄色や茶色、くすんだ色彩になる等)になったりするのでしょうか?飼育しようとおもっているのは赤色のオオモンカエルアンコウです。カサゴ、オコゼなども棲む深さによって褐色〜赤など色に違いがあると聞きましたがカエルアンコウの場合はどのように考えれば良いでしょうか。また種類によって色彩の変化(のしやすさ)に違いなどはありますか?あと・・・質問とは関係ない事なのですが、海水魚編のページにあります各魚種の管理方法の「ニベ類管理法」〜以下の管理法のページは工事中になっているのですが、以前は公開されていたのでしょうか。もし可能でしたら現在公開されている以外の魚種の管理方法も参考にさせていただきたいのですが・・・もし理由がありましたら申しわけありません。夜遅くにメールしてしまい失礼しました。単純な質問ですがよろしくお願いします。

A1005
 アンコウの類は保護色・擬態で獲物を待ち伏せます(砂に潜る種類以外は)。周囲にあるサンゴや海藻・砂地や岩場などにあわせている可能性が高いものです。オオモンカエルアンコウAntennarius commersonは色彩変異が広いですが、これは分布域(太平洋〜インド洋)が関わっていると思われます。赤いものは割と深みの個体ではないでしょうか。飼育中にこれらが変化したという話は聞きません。但し、赤色系は飼育下ではどうしても退色します(カエルの赤は経験がありませんが、アカグツは退色しました)。サンゴ礁の個体(フレームエンゼルなど)も深部性の個体(クダゴンベなど)も薄くなってしまうのです。養殖のタイ(深部性の魚種)などは日焼けで黒ずみます。これを変化ととらえるならその通りです。
 更新の方はこちらの事情ということで。予定は今のところありませんので、何かあればウェブサイトに質問を。


Q1004:(30/Apr/2010) 辻さん
 太田様、ニュートライアングルの件、ご回答ありがとうございます。立て続けですみませんが、その回答を踏まえて、もう一つお聞きしたいのですが、ご教授頂いた通り、低PHにて魚を迎え入れようと思うのですが、当方、ブラックウォーターは観賞面から、あまり好みません。なので、ソイルによるPH調整をしようと考えています。しかし、メンテナンス面から出来ればベアタンクでの管理にしたいので、上部式フィルターにろ材として、ソイルを使用しようと考えてます。そこで質問なのですが、1 上部フィルターにろ材としてソイルを使用した場合、生物濾過は期待できるのでしょうか?(勿論ウール併用)「メンテナンスあれこれ」にて、大磯や、珊瑚は多孔質で、ろ材に向く教えて頂いたので………… また、過去の質問で、底面式とソイルは不可と回答されているので、上部フィルターでの使用はどうかと思いまして。各メーカーのソイルは一応多孔質でバクテリアの繁殖に適していると銘打ってあるのですが(信憑性を含めてお聞きしたいです) 2 もう一つはソイルの使用量です。90×45水槽で単独飼育を予定しておりますが、その水槽サイズで、ソイルによるPH調節を目的とした場合、やはり、相当量のソイルが必要でしょうか?(純正上部フィルターのろ材を全てソイルにする位では足らず、やはり底面に数センチの厚さで敷き詰める程の量がいるのかどうか)です。宜しくお願い申し上げます。

A1004
 濾過材としての用途に問題は無いでしょうが、低pHの維持に効果があるかといえば疑問です。アルカリに傾かない程度の効果しか望めないでしょう。第一量が多いと酸度が増すような物質が使われているとは思えません。


Q1003:(28/Apr/2010) 辻さん
 太田様、以前カーピンテの質問で何度かお世話になった辻です。今回もご教授お願いしたいのです。教えて頂きたいのはニュートライアングルシクリッド(Uaru Fernandezyepezi の管理法なのです。今回、以前から欲しかったニュートライアングルシクリッドを購入しようと考えています。差し当たって、色々調べたのですが、この魚種は「水質にうるさい」「低いPHの、綺麗な水を好む」等の情報しか得られません。この魚種の「低いPH」と言うのは、実際数値的にどれくらいで、また、その低いPHと言うのは、管理の必須条件なのでしょうか?(つまり、ゆっくり慣らせば、中性付近の水質で長期飼育可能か)是非、ご教授お願い申し上げます。

A1003
 フィッシュベースによればpH5.0という数字があります。ディスカスと同じで、水槽内で代を重ねる毎に水に慣れていくでしょうが、現時点では原産地環境(低pH)に極力あわせるべきでしょう。


Q1002:(11/Apr/2010) フグコさん
 太田様、以前なんどもお世話になっております。ありがとうございます。最近、わけあって白点虫だらけの小さなハリセンボンを治療しました。Seachemシーケムの銅薬で2週間くらいで順調に直りました。ただこんな簡単にいく場合ばかりではないと思い、今後のためおうかがいしたいと思いました。いま白点病に使える薬として、銅、ホルマリン(観賞魚用を輸入)、ヨウ素球、過酸化水素水(日本でも観賞魚用として市販されているものがあります)が手持ちであります(全部水替えや淡水化といった細やかな手当はちょっと無理なので除外です)。銅が一番かんたんで効果がある(ホルマリンはちょっと弱いような気がする)と思うのですが、銅に弱い魚があるとよくいわれます(ケントロピーゲなど)。銅とホルマリンがあるのだったら、銅はあぶないからホルマリンにしておこう、と思われるような魚種が具体的にありましたら、ぜひご例示ください(そんな希少種は飼いませんので、海水や汽水のメジャーな魚名をいただければ十分です)。ヨウ素球は海水の場合、まず効かない(ヨウ素で菌を殺すには不純物が多すぎる)と思うのですが、これについてご感触をお持ちでしたらばお聞かせいただけると幸いです。また、過酸化水素水は、養殖魚でマリンサワーなどどいう商品名で使われているものは(海で流れることを差し引いても)見るからに強力で、観賞魚用に販売されている弱いものでは効き目がないのではないかと思うのです(オゾナイザーのように継続的にぶっかけるならともかく)が、これについてもご意見をお持ちでしたらばお聞かせいただけると幸いです。よろしくお願いいたします。
 前回の質問に加えていただけますか。マラカイトグリーンも白点病に使うようですが、銅やホルマリンと同程度の効果を見込めるでしょうか。養殖でも魚卵の消毒に使っていたようで(現在は食用には不可)、その目的には確かに使えそうですが、白点にはやや弱いというか、濾過施設等のない本当に水だけの状態で使わないとあっという間に青色が飛んでしまい、効かなくなるような印象を受けました。

A1002
 いわゆる観賞魚として珍重される魚種は薬剤耐性が低いものです。お馴染みのチョウチョウウオやキンチャクダイの仲間、ハギ類やハナダイの仲間などがそれに当たります。あとはサイズです。サイズの小さな個体は同種の大きな個体よりも薬剤耐性がありません。沃素はウイルスなどの殺滅に使用されます。通常溶液を作ってそれに潜らせる方法をとります。魚卵の消毒に使用する場合などです。水槽用の薬剤は養殖用のモノに比べて弱いのが当然です。養殖場の環境と水槽内環境を同じに考えては駄目です。色素剤の件ですが、色素は光分解しますから投薬を消灯後とします。ですから回復の兆しが見えなければ再び投薬する必要があるのです。
 ハロゲン球との混乱を防ぐため、ヨウ素球ではなくヨードボールと呼称した方が良いでしょうね。


Q1001:(01/Apr/2010) takumaさん
 太田様初めまして。takumaと申します。表題の件、ダトニオに関連しての質問です。先日、個人売買にてダトニオを購入しましたが、写真のように水面付近をふらつくことが多く、時々イルカのように口を水面から少し上まであげたりします。また、視力がかなり悪い?のか見えていないのか?、コアカを入れても飛びつかず、口や体に触れたら気づいたのかのように飛びついて食べます。クリルを与えたら、ニオイでわかるのか、水面をふらつき、口に触れた瞬間に食べます。マトモに捕食が出来ないため、現在ではキビナゴを口元まで持っていって与えています。このような状態ですので、混泳は出来ず、単独でトリートメントタンクで様子を見ています。両目の水晶体もきちんとあり(ダトニオに稀に見られる水晶体落下固体ではなく)、ポップアイの可能性もほぼゼロと思われます。購入先に聞いても「ウチでは普通にコアカを追いかけていた」とのことです。購入時から数日間は顎のところに内出血と見られる血も少しありましたが、現在では見られません。購入して1ヶ月になりますが、現在でも調子は変わりません。なんとか回復させてあげたいと思っております。是非、アドバイスをお願いします。トリートメントタンクは60×45×45 上部+外部 PH6.8〜7.1 30℃です。

A1001
 平衡感覚異常(神経性か鰾由来)と弱視でしょうか。どちらも先天性の他に物理的な要因(激突など)で発生する可能性があるものです。ダトニオイデスは視覚ではっきり獲物を捕捉するタイプですので、平衡感覚異常だけなら何かしらアクションを起こしていると思われます(ダトニオイデスは獲物や飼育者をよく観察します)。その辺りで見えないのか、見えているが目的の場所にたどり着くことが困難なのかを判断します。また、扁形動物寄生症にも同様の異常行動を引き起こすものがあります(神経や眼球がやられる)。どちらも薬剤治療は不可能ですので、現状を維持する以外にありません。好転する可能性を問われてもこのケースでは何とも言えません。幸い転覆病のような壊死の問題は無いように見えますので、少し手間がかかる部分を大目に見てあげてはどうでしょうか。あと水温は25℃くらいまで下げてください。

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