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Q920:(10/Nov/2006) フグフグさん
 前にインドエメラルドパファーについて教えていただいたフグフグです。今日はムブについて教えていただきたくてメールしました。2、3日前からムブの尾びれに白い点が3、4コ付いています。始めは白点病と思ってヒサコンzを入れたのですが。白点が増えたり移動したりがありません。食欲もあります。どう対処していいのか分からずメールしました。飼い始めた時期は今年の10月です。phは7.3。アンモニア無し。NO3は25mg。NO2は無しです。水槽はエーハイムの60センチ企画水槽です。水温は27度。同居魚はスネークスキンプレコです。フィルターはエーハイムの2213と2213のサブフィルターを使っています。ヒーターは200ワットです。底砂はほんの少しひいています。あと流木とアヌビアスをいれています。水換えは3日に一度位水槽の上から10センチほど交換しています。病気かどうかよく分からなくて困ってます。アドバイスください。よろしくお願いします。

A920:増減・移動が無い場合白点が鰭条に沿っているか確認して下さい。そうであれば鰭条の断裂・それに伴う真菌症の可能性があります。勿論他の疾患の可能性も有りますので、原虫症/真菌症に有効なメチレンブルーで様子を見ます。塩類の検出はゼロを目指して下さい。


Q919:(07/Nov/2006) ともさん
 はじめまして。毛フグ(テトラオドン・バイレイ、約5cm)の調子が悪く、メール致しました。どうぞよろしくお願致します。飼育し始めて約10日、水槽は36cm規格、上部濾過、その他生体はグラスキャット(1)と石巻貝(3)です。もともとグラスキャットが3匹入っていましたが、毛フグを入れたところ2匹食われ、冷たいですが別に構わないのでそのままにしています。その後石巻貝を入れました。実は、飼ってきた直後は、20cm水槽に投げ込み式だったのですが、濾過が追いつかないと思い、先週の土曜日に上記の水槽に移しました。phは7.2、亜硝酸は検査薬で計ったところ、一番少ない色のものでした。ちなみに、上記水槽は前日まで他の魚が使っていたもので、底砂は金魚用の砂とを半分敷き大き目の石が数個(流れのある岩場に住むそうですので)、隠れ家を1つ入れています。水温は27度程度です。今まで、朝キャット(1)・クリル(1)・メダカ(1)、夜キャット1・メダカ(3)のメニューで、人工餌は中々食べないものの食欲は旺盛で、生餌の食いつきは非常に良かったのですが(ショップでは生餌オンリー)、今日の朝、クリルを入れても見向きもせず、メダカを入れてもちらっと目で追うだけで食べようとしません。蓋を開けるだけでこっちに反応していたのに、それもない感じです。 よく観察しましたところ、鰭に少し白点がついているような感じでした。水換えは、土曜に水槽を変えて以来しておらず(それまでは3日に1回くらい)、フンや食べ残しは掬って捨てていました。息も荒いといえば荒い感じもし、たまに咳き込むような動作をします。今はストレーナーの下にいることが多く、たまに上に行ったりします。白点病かと思い、その後1/2の水換えをし水温を29度に上げ、グリーンFリキッドを規定の1/4程入れてみました。生餌水槽や、同じメダカを入れた他の水槽には白点病は今の所見られませんが、この処置・見解でよかったのでしょうか。また、見落としていると思われるところをご指摘頂けたら幸です。お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願致します。
 p.s.水槽ですが、36cmではなく30cm規格水槽の誤りです。

A919:メール内容からは質問者の推察通り白点病初期症状が最も疑われます。他の原虫性疾患(鰓病症状の兆候より)対策も兼ねて鷹の爪の併用も有効かと思われます。今後も観察を怠らないようにして下さい。


Q918:(05/Nov/2006) samejimaさん
 初めまして。良くサイトを拝見させて頂いています。さて、当方淡水エイのモトロ(体盤13cm)を1週間前購入。1/4程度の水替えを行ったら、表皮が肌荒れ(粘液?)してしまいました。デッドカールや前頭部のへこみは無く、食欲もあるのですが、何らかの対処をした方がよいのでしょうか?お願いします。

A918:一過性のものであればもう回復に向かっているでしょう。症状に変化無し・悪化しているとしてもエイには薬品・塩などは使用しません。原因究明をして飼育環境を正常化するだけです。水換え時のトラブルの大きな要因としては[温度差]・[pHショック]・[有害物質の混入]があります。初めの二つは水換え前と後の数値から確認出来ます。最後のものは水処理の問題(塩素等含む)と不純物の混入確認が重要で、今からの対応が必要となります(問題の無い水との交換等。但し原因が塩素であればもう影響は少ない)。


Q917:(26/Oct/2006) imurashさん
 初めてメールいたしますimurashと申します。シルバーアロワナロイヤルプレコの飼育環境について、不安な点があり、いくつかお伺いしたくメールいたしました。長文になってしまいましたがどうぞよろしくお願いいたします。(掲載時に原文が長いようであれば回答に無関係な箇所を編集していただいて結構です。)
<質問内容>3年ほど前からW120×D45×H30のガラス水槽を使用してシルバーアロワナを単体飼育してきました。(現在30cm程)2週間ほど前、以前から欲しかったロイヤルプレコ(18cm程)を購入し、アロワナと混泳を始めたのですが、そこでいくつか質問がございます。(1)プレコ混泳開始から3日ほど経った頃からアロワナの食欲が衰えました。量は以前と同じ量を与えていますが餌に勢い良く向かってきません。(ロイヤルを購入したショップではちゃんと食べていたそうです。)食欲不振の原因にはどういったものが考えられるでしょうか?一時的な要因であればよいのですが飼育環境に問題がないか心配しています。(2)ロイヤルプレコが水流を好むことと、水の汚れがが予想されることから外部フィルターを今より流量の多いものに変更しようと考えています。そこで疑問ですが、この混泳を前提とした場合に理想の水流とはどの程度の量で、どのような方向でしょうか?プレコのいるガラス面に沿うように落とすのがよいか、全体が流れるようにするべきか悩んでいます。外部フィルターを用いていますので出水を分岐したりジェットノズルを使うなどの変則的な方法も可能です。
 現在の水槽の環境・水槽はW120×D45×H30ですが今後の成長次第でサイズアップ予定です。・水槽内には底砂と多少の鑑賞植物を入れています。・アロワナは幼魚の頃から人工飼料のみで育てています。・現在のところは健康状態、見た目ともに良好で、食欲も先日までは旺盛でした。・エーハイムの外部フィルターを使用し、小さな穴がいくつか開いた出水パイプで少し水面を叩く程度に横方向に出水してきました。・水換え頻度は週1程度、水温は25度でPhは常に7前後です。・餌のカスや糞が多少増えたためここ数日は以前より頻繁(3日に1回程度)に水底のごみを吸い出していますが水替えの頻度(週1回・1/3)は同じです。・水質の各種数値にも変化はなく水質は良好に保たれています。・プレコと同時にエアレーションと小さな流木を追加しています。・エアレーションは24時間作動させています。・ライトの点灯時も消灯時もほぼ24時間観察しましたが、互いに争う様子はありません。水槽に高さがないため視界に入るようで、お互いを意識しているかもしれません。・どちらも見た目に病気の症状はありません。それでは、大変お手数ですがご回答よろしくお願いいたします。

A917:ロイヤルプレコは混泳に適しません。同層・異層の魚種共にです。神経質なアロワナは夜間ガラスを齧る(パナクエ・コクリオドン系はガラスの表面すらぼろぼろにする)ロイヤルプレコにびくびくしている筈です。導入して2週間程度では飼育者が見ているところで争うことはないでしょう(要するに見ていないときに威嚇している可能性がある。水深が低いのも接触の機会が増加するので問題)。しかし何れ見ているときにさえ攻撃を仕掛けるようになります。特にロイヤルプレコは滑空型なのでアロワナに逃げ場はありません。更にアロワナの突進が激化し、跳び出しや脳震盪による酸欠障害が発生する危険性もあります(勿論黙って殺されてしまうケースもある)。また、ロイヤルプレコにとっても広過ぎる水槽では思うように水流を作れません(水流は見た目の流れだけではなく、プレコ周囲の水が置き換わる必要がある)。90cm規格水槽ならば「ロリカリア科管理法」にあるような方法で必要な水流を作れるのですが、幅120cmに引き上げてしまうと水中モーターを一・二基ほど追加投入しなくてはなりません。このような状態はゆったりした環境を好むアロワナにとっては地獄です。双方大事に育てるつもりであればロイヤルプレコ専用の90cm水槽を立ち上げるべきです(システムは「ロリカリア科管理法」を参照)。そうすれば全て上手くいきます。


Q916:(16/Oct/2006) HAさん
 太田先生、こんばんは。今回の薬に関する情報、とても勉強になりました。ありがとうございました。ところで、うちの水槽(90センチ)にはだいじな魚(ミドリフグですが)がいるので、それが死なないようにとかなり気を遣っています(ヒーターやクーラーの故障を想定したバックアップなど)。入れる魚種も毒のあるものは除いています(コバンハゼのようなソープフィッシュやナマコ)。ところでキンチャクフグがいるのですが、これが内臓にふぐ毒があるのが気になっています。普段はいいし、死んでもすぐ出せば問題はないと思いますが、旅行中に死んだり、ライブロックの下で死んでいたりすると数日気づかず、腐乱した場合にその毒が出てくるのでは?と心配になってきました(ミドリフグも同じ問題はありますが、寿命は長いしこれが死ぬときは天地の終わりなので考えていません)。そこで、だいぶ一生懸命、テトロドトキシンのような強毒で内臓等の毒を持つ魚の混泳について調べたのですが、何も見あたりませんでした(捕獲中に他の魚と一緒に死んだというブログ書き込みのみ)。問屋での状態や輸送中のことを考えても、すくなくともキンチャクフグ同士の場合には死んで腐敗してもおそらく問題はないのではと思いますが、もしこの点についてご存じでいらしたら、どうぞよろしくご教示お願い致します。

A916:キンチャクフグの場合内臓器では肝臓・精巣などが有毒です。形を保っているうちは大丈夫でしょうが、崩壊後は何らかの影響が出るでしょう。但し直接死に結びついた話は聞いたことがありません(ハコフグ類の巻き添え死は崩壊前、と言うより死亡前の事例)。ただ、キンチャクフグの皮膚にも弱毒が存在します。個体がストレスを感じただけでも問題が生じます。こちらも他魚の死亡に直結はしませんが、よい結果には決してなりません。狭い水槽での混泳は勿論、運搬の際にも他の個体と同梱等は避けるべきものです(個別の筈)。


Q915:(07/Oct/2006) 中川さん
 はじめまして。私が購入したベンガルゴールデンタウナギにブツブツが全身に見られるようになりました。私見ではウロコのない魚ゆえの肌荒れか摺れ傷がそうなったかだと思いますが、これはなんなのでしょうか?それと、どうしたらいいのですか?

A915:メール内容では情報不足甚だしく回答不可能です。「メールを送信する前に」をよく読んで必要なデータをこちらによこして下さい。「魚類疾患名リスト」内の簡易同定表もチェックすることを忘れずに願います。


Q914:(29/Sep/2006) HAさん
 太田先生、こんにちは。ベニゴンベのちびの表皮に4つ、米粒を2分の1に縮小したような白半透明でぺったんこのわしわしと活発に動き回る寄生虫を見つけました。ゴンベはたいして元気は落ちていないのですが、ほかに移るといやですので、汽水浴をさせてみたのですが(1.008 15分)落ちません。魚が弱ると困るので切り上げ、とりあえずエアとエルバージュをいれて隔離してあるのですが、この寄生虫は何でしょうか(なにか以前、そういう記述をみたような記憶があるのですが、見つかりません)、そしてどうすればとれるでしょうか。どうも手でとれそうなのですが、ぐにゃぐにゃしたちびの魚なので、できれば手を避けたいと思っています。どうぞよろしくお願い致します。スカンクシュリンプをいれてあるのですが、ゴンベはエビの清掃を普段うけていませんでした(水槽の魚の中では珍しいです、だいたいみなエビそうじはすきです)。

A914:ウミチョウなど橈脚系の寄生性甲殻類でしょう。はっきり目視可能な場合はピンセットで直接引っぺがします。薬剤はトリクロルホン系になりますが、毒性が強いので蔓延しない限り使用は控えます。除去する際に対象を潰すことも有り得ますが、この際出て来る汁を水槽内に決して入れないよう注意します。


Q913:(28/Sep/2006) フグフグさん
 フグフグです。今日はインドエメラルドパファーの様子がおかしいので教えてもらいたくメールしました。1ヶ月くらい前に口の中に小さいおできみたいなものができました。硬い餌(エビ)を食べたら痛いのか吐き出していました。ここ最近。口の中のおできの他に、上唇のあたりが日に日にはれてきています。内出血しているみたいになってます。他に変わったとこはないのですが・・・飼い始めたのは7月後半です。最近あんまし動かなくなってます。物陰に隠れているときがおおいです。アカムシ以外は食べていません。水槽の状況は30×18×19ビバリアの小型水槽です。フィルターはビバリアのイージーフィルターです。壁掛けタイプです。後ヒーターの100hをいれています。水質はphが7.0、アンモニア、亜硫酸塩はなしです。硝酸塩は少しだけありました。水温は28度です。他の同居者はオトシン2匹、コリドラス1匹、イシマキガイ1匹、エビ1匹です。水換えは1週間に1回水槽から5センチくらいしてます。今はどう対処したらいいか分からずヒサコンzをすこしいれています。周りに詳しい人がいなく本当にそうしたらいいか分からないのでアドバイスよろしくお願いします。

A913:症状と水槽内環境(水質等)から細菌感染症(恐らくはエロモナス菌)であり、原因は底砂と自己の歯の二通りが考えられます。フグは底砂をよくいじります。特に突進性の強い個体は底砂に吻端を突っ込むこともあります。その際生じた擦過傷より細菌が侵入するのです。底砂が粒の大きな大磯砂ですと、傷付き易い上に隙間に老廃物が蓄積するので思ったより被害が出ます。もう一つの可能性は傷の向かい側の歯が突き刺さっているケースです。
 取り敢えず今は細菌感染症の治療に専念します。フグを隔離し抗細菌性の魚病薬で治療を試みます。現在使用しているヒコサンは駄目です(先ずはショップへ。詳細は「魚病薬」のページを参照のこと)。フグの治療をしている間に、再びこのような状態にならぬよう水槽内環境を改善します。フグに大磯砂はよくありませんので、細かな川砂やボトムサンド(商品名)を薄く敷きます。1/3〜2/3程度水槽底面が露出するくらいでよいのです。厚く敷くとヘドロが溜まりやすくなりますから。他のタンクメイト(小魚・無脊椎動物)は何れフグに殺されるので、この機会に別水槽を立ち上げて適した環境を作るのがよいでしょう。歯は隔離した時点でよく観察します。明らかにぶつかっているようでしたら爪切り・若しくは先の丸い化粧はさみで半分くらいを切りますが、現在の個体では一寸考えられません。早まらないで暫く様子を見てみましょう。


Q912:(17/Sep/2006) HAさん
 太田先生、いつも御世話になり、本当にありがとうございます。さて先月から今月にかけて1週間ほど旅行し、その間、水槽の手入れがなかったところ、スクーチカらしい病気(以前、トパーズフグ等がかかったものと同じようです。以下、スクーチカとします)と白点病とを併発し、大型ヤッコ(6センチていどのアズファー、パソニファ、ニシキ)が結局全滅しました。ケントロ(アブラ、ナメラ)は回復したようです。ほかのハゼやフグはかかりませんでした。全体的な調整(硝酸塩除去や数を増やさない)は当然として、治療の点について間違いや考え違いはなかったか、あるいはよい方法がないかについて、ご意見をたまわれば幸いです。
1 大型ヤッコについて白点があり、まだ体力がありそうだったので、銅治療(シーケムの薬でレッドシー試薬で測定の上)を行いましたが、奏効する前にスクーチカの劇症状態に陥ってしまいました。スクーチカは最後の1日くらいに急激に悪くなり、それまでは体の一部に白い部分がある程度に留まるが、悪くなると写真アズファーのように色が急に落ち、またその前くらいから消耗が激しく背肉落ちが目立ち、えらぶたを激しく動かし、そのまま絶命します。時間や進行の性質から考えて、白点治療はスクーチカに有効でないならば後回しするほうがよい気がします。そしてスクーチカについては、以前、フグには淡水プラス菌・細菌予防のエルバージュ浴が有効でしたが、ニザダイなどはショックを起こすので、1.008から1.01程度よりも塩分を薄めないでやってみたいと思います。かつマラカイトグリーンをつかってみようと思います(しかし、いままでマラカイトが効いたという感じはあまりしないのです)。銅治療はスクーチカには海外文献では勧められていませんでした(淡水あるいはマラカイト、しかし第一にキニーネをつかえとありました。ちょっと感心しました)。?スクーチカ末期状態でしてやれることはあるでしょうか。どうも、えらが問題というよりは、筋肉や血を侵食している印象があるのです(細菌による壊死のようなイメージで、原虫がじわじわ食っているという感じがしない)が、抗生物質等が有効ではないかという気もするのです。
2 小型ヤッコのほうですが、これはナメラはかなり悪くなりまして、白い部分が崩れ、潰瘍状態となり、筋肉部分が露出しました。写真ではそれほどでもないですが、かなりひどい状態です。しかし、全体にそれほど弱った感じはせず(養魚池などで大きく傷がついている魚が生きている、そんな感じです)、以前のフグのように基礎体力があるのか、それとも大型ヤッコのようにぱたんと来る性質ではないのか、よくわからないところです。傷があるのでエルバージュを入れ、1.01汽水、マラカイトグリーンで置いてみました。いま皮膚は回復しているのですがエサをたべないので、体力切れが心配です。アブラのほうはすこし肌の白化や目の白濁(これは病魚すべてに共通しています)があったものの、全然弱っていません。
3 あと、白点虫は夜、非常に顕著になり、昼は魚体表面からひっこむ(おそらく皮の奥にもぐりこむ)ということはあるでしょうか。分裂サイクルで説明するにはあまりに不自然に、夜めだち、昼は消えるという印象をもちました。長々と申し訳ございません。

A912:原虫性疾患の場合、極初期段階(軽微の胸鰭の白濁など)で叩いておかないと感染が一気に広がります。はっきりした症状が出現してしまった場合、行くところまで行ってから回復に向かう場合が殆どです。ですから小型の個体は体力切れになり死亡してしまうのです。スクーチカ症で末期症状になった個体は病巣が臓器にまで広がってしまう為、こちらでしてやれることは殆どありません。ですから原虫性疾患対策は侵入(持ち込み)防止と早期発見に尽きるのです。原虫性疾患を直接叩く効果の無い抗生物質は二次感染を防ぐくらいの役にしか立ちません。2種類の薬剤を混ぜてはいけませんが、スクーチカ症治療中の白点病対策に鷹の爪を使うことは可能です。白点病の周期に関しては以前にも質問があったのですが、こちらの手持ちの資料には特に明記してあるものはありませんでした。恐らく夜間は魚の色素胞の収縮でより目立つのではないかと思われます。
 ナメラヤッコの方はビブリオ症のように見えます。気温が下がる今の時期に発生し易く、赤班や火傷状の症状・腹部膨張・肛門拡張・眼球突出などを伴うのでよく観察して下さい。こちらには抗生物質が効果あります。市販されている水産用の薬剤は殆どが経口薬(要するに餌を食う元気のある個体用)ですが、幾種かは薬浴用のものも出回っています。入手が困難な場合はエルバージュを使用します。


Q911:(15/Sep/2006) 貝山さん
 太田様、はじめまして。水槽を立ち上げる段階から参考にさせていただいています。5日前から飼いはじめたミドリフグについて伺いたくメールを差し上げました。飼育魚:ミドリフグ×3匹(体長約2cm)飼育環境:水槽容量約30L 濾過システム:外付けフィルター水温:26℃(26℃固定式オートヒーター)底砂:珊瑚砂(米粒より若干小さめ)給餌:冷凍アカムシ1日1回(朝)昨日はクリルを与えました。鹹水:1日に2Lほど交換。本日のみ半分ほど交換。海水比重:1.008(お店の比重とあわせております)昨晩までは3匹とも元気でした。今朝になって1匹が黒ずんでおり、鰭の動きがとても鈍いのです。特に尾ひれはほぼ動いておりません。(それ以外の鰭は普段に比べれば鈍いものの動いております。)餌(本日は冷凍アカムシ)も全く食べません。ろ過装置から流れ出る水にも昨日までは流されることなく泳いでいたのですが、今は水流に身を任せている状態で、水流を弱めてみたのですがやはり変らず(これは尾ひれが動いていないことと関連していると思います。)、泳いでいるというよりは漂っているように見えます。水は毎日交換(1〜2L程度)しているのですが、水質悪化の可能性もあるかと思い、食後1時間後に行う水換えも半分を取り替えてみました。比重の少し重い水で塩水浴をさせようかとも思ったのですが原因不明なままでは怖くてできないと躊躇しております。お店の方に伺ったところ、「他の2匹が元気ならば、その固体だけ適応能力が低いのでは」と言われたのですが納得がいかず、質問させていただきました。お忙しいかとは思いますが、よろしくお願いします。

A911:水質を調べなくてはなりません。必ず4点セット(pH・アンモニア・亜硝酸塩・硝酸塩)を調べます。水槽トラブルの9割はこれで原因と行うべき事がわかります。病気の疑いがある場合は「魚類疾患名リスト」内「簡易同定表」であたりをつけます。見つけたした症状をショップに知らせれば適当な魚病薬を用意してくれる筈です。またフグ同士ですので、先の2項目に該当しなければ負け個体となった可能性も有ります。特に狭い容器ではフグの混泳は避けなくてはなりません。あと餌にクリルはよくありません。尚、フグの類は尾鰭を移動や推進力に使用しません。

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