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Q170:(19/Dec/'99) Eiji Takahashi さん
 Q169でロングテールレオパードスティングレーについて質問させていただいた者です。実を言うと、購入の前提で入荷してもらっているので、餌食いについては、状態がよいものが来るのを祈るのみです。その他に関しては、問題なさそうです。が、気になるのは、長期飼育が難しいという点です。それは、例えば、純淡水では難しいということなのでしょうか。

A170:先ず餌付かせることが難しい種類であること、飼育中に妙な症状(一部陥没・潰瘍など)を発症する場合がある、の二点からです。塩分は相当上流(アマゾン水系ペルー辺り)に分布しますから、不要と考えられます。逆にミネラルでも要求するのかもしれませんが。


Q169:(18/Dec/'99) Eiji Takahashi さん
 はじめまして。私は現在ポルカドットスティングレーを飼育しているものです。今の所特に問題もないのですが、今度ロングテールレオパードスティングレーに挑戦してみたいと考えています。飼育方法などポルカドットと異なる点などありましたら、教えていただきたいのですが、

A169:長期飼育はなかなか難しい種類です。
 先ず購入前に、餌を食うかどうか聞いてみましょう。「食う」という返事でしたら、目の前で必ず餌をやってもらいましょう。いいかげんな返事では困りますからね。ただし、食ったら必ず購入するくらいの誠意は見せなくてはなりませんよ。目の前でパカパカ餌を食うようでしたら、同じ餌を用意してやれば良いだけです。
 ポルカドットやモトロなど、肉厚のエイは最も飼育が容易なグループです。次に状態さえ良ければ問題無いものが、ヒストリックス・レティキュラータス系です。で、質問のロングテール・アンテナ系ですが、通常これらはディスケウスの仲間同様、いや、それ以上にてこずります。ディスケウスのほうはまだ人を気にする様子があるのですが、ロングテールの方は相当長期間“シカト”されます。そしてそのままあの世に旅立つことが多いので、万全の体制で臨む必要があります。
@混泳させない:特に他のエイと混泳は絶対不可です。肉厚の大型エイは、相当水槽が広くない限り他のエイを齧ります。辺縁や腰骨の辺りを狙いますから、事故になってからでは遅いです。ロングテールは餌付くのにも時間がかかるので、餌採りの早い他魚を混泳させては、決して良い結果をもたらしません。
A餌は生きた小さいもの:金魚を放したり、冷凍のワカサギをばら撒いても先ず餌付いてくれません。餌付いていれば良いのですが、餌付いていない場合は生きた赤ムシ・ヤマトヌマエビ・メダカを混ぜて与えるようにします。入手可能であれば、小さく細いドジョウも良いかもしれません。
B細かな川砂を敷く:大磯は駄目ですし、ベアタンクも良くありません。
 あとはpHが下がらないように、きちんと定期的に水替えを行います。


Q168:(04/Dec/'99) 白水 久利 さん
 はじめまして。今度、以前から念願だったワイルドオスカー(ペルー産)を手に入れる事ができました。
 そこで、質問なのですが、ワイルドの飼育は初めての為、特に気をつける事があれば教えて下さい。体長約10cmくらいで、水合わせは約6時間ぐらいかけて行い、90cm水槽で単独飼育を始めたところです。

A168:中・南米産の中・大型シクリッドに関しては、水合わせ等でトラブルが起きた、という話は殆ど聞かれません。到着時の状態が良かったのであれば、尚更心配には及びません。オスカーに関しては、水質は中性よりややアルカリ側が向くとされていますが、中性での管理に全く問題はありません。
 これだけではなんですので、オスカー(Astronotus属)について少々述べておきます(〔The most complete colored lexicon of CICLIDS by Herbert R.Axelrod〕によります)。
 アストロノトゥス属には三種が記載されており、それぞれがきちんとオスカーの様相を呈しています。
@アストロノトゥス・クラッシピンニス <Astronotus crassipinnis>:25センチ。ブラジル・パラグアイ川のパンタナルに分布。斑紋は尾柄部のひとつだけで、幼魚期のみ赤い縁取りがありますが、成魚になると一切の赤味は消失します。体の側面に明色(灰緑からいぶし銀)の横縞が走ります。体形は全体的に細長い。幼魚班も大柄な横縞が走ります。
Aアストロノトゥス・オケルラトゥス <Astronotus ocellatus>:35センチ。アマゾン水系に広く分布。斑紋は尾柄部の大きなものに、背鰭基部に数個存在し、スポットナイフのようにしばしば左右不対象です。斑紋は赤い縁取りが終生つきます。胸鰭にも班(縁取り無し)を確認することが、次種との区別になります。幼魚班は黒地に白点が散ります。生産地は米国フロリダ州・東南アジアです。
Bアストロノトゥス・オルビクラトゥス <Astronotus orbiculatus>:30センチ。タイプ個体はサンタレン(下流域)で捕獲と有ります。尾柄部の班が一つあるのみで、終生赤い縁取りがつきます。胸鰭基部の班は有りません。幼魚班は雲班模様を呈します。市販のレッドオスカーやプラチナオスカーは、この種の血を受け継いでいるとされますが、前種との交雑個体が殆どで、胸鰭のスポットがイレギュラーに見られます。


Q167:(04/Dec/'99) Simizu さん
 以前、スポテットガーについてお世話になりました。一時、食欲も出てきて元気になったのですが、最近、また餌を食べなくなってしまいました。息をする時、エラをガバッと広げる事と、今日見つけたのですが、尾ヒレが縦に切れていて充血していました。金魚などでいう尾腐れみたいです。水替えは週一、やっています。エラが気になったので、行きつけのショツプに聞いた処、麦飯石水溶液が原因ではないか?とも言われました。水替えにコントラコロライン、アクアセイフ、麦飯石水溶液をいつも入れています。生き餌を入れたのも良くないのでしょうか?生き餌は金魚です。アドバイスお願いします。

A167:尾腐れ病病であれば、金魚が持ち込んだ可能性が高いでしょう。また、鰓の疾患であれば、割と大き目の病原虫由来なので、これもまた金魚の可能性が大です。併発であれば重篤な状態なので、魚病薬に頼るより他ありません。パラザンかグリーンFゴールド等を、やや薄め(規定量の1/2〜1/3)に処方します。そして何よりも必要なことは、病気の原因(この場合は金魚)を、水槽内に二度と持ち込まないことです。食欲不振が金魚単用によるものでなければ、水質も疑われます。化学的要因(アンモニア・亜硝酸塩・硝酸塩・pH)と、臭気や着色も注意してください。取り敢えずは頻繁な水替えが有効です。最後に(当然ですが)、入れる必要のないものは、入れる必要はありません。通常ガーパイクの水替え(1/3程度)に、温度あわせ以外上記三品は不要です(コロラインは任意)。気になる場合は、一昼夜汲み置きをしてください(エアーレイションはOK)。


Q166:(28/Nov/'99) ひろ さん
 おひさしぶりです、随分前にお世話になりました<ひろ>です。今回もまた拒食症についての質問です。
実は二ヵ月程前に実家近くのアパートに引っ越しました。そのため飼育していた水槽一式はすべて実家にセットしたままで、毎日朝晩に餌を、日曜日に水換えに行く程度になりました。それからというもの自分が部屋に入るとアロワナが驚いて暴れ回るようになり、治りかけた拒食症がまた始まってしまったようです。サイズが30cmを越えたので以前用意した120×60×45アクリル水槽に移したのですが、これが追い討ちをかけたように餌を食わなくなってしまいました。対策として水槽四方(前面は半分程)に新聞紙をかけてなるべく人の気配を隠したりしていますが、やはり餌を与えようと近付くと暴れてしまいます、最近は残った餌を取り除く毎日です。やはり人がいる環境でないと餌付かないのでしょうか?それとも時間が経てば平気でしょうか?アドバイスお願いします。
 それからもう一つ、この水槽にはアロワナの他にポリプテルスラプラディ(30cm)が同居しています、現在はベアータンク(流木有り)での飼育ですが、やはり底砂を敷いたほうがプラス面が多いですか?アドバイスお願いします。

A166:アロワナは数ある魚種の内でも、シクリッドと並ぶ人懐っこさが特徴です。アロワナが人を恐れる状況は、それだけでも異常事態なので、何がなんでも原因を見つけなくてはなりません。餌を与えてくれる人を見ても認識していないのであれば、@“人間全般に対して拒否反応を持つ”か、A“人間を区別する余裕が無い”の何れかと思われます。
 @の場合、先ず人間(特に子供)の悪戯(硝子面を叩く・手を突っ込む)が考えられます。猫が子供を見て毛を逆立てるのと同じです。動物にとって、そのような子供は基本的に天敵です。他の原因として、奥行きが不足した水槽では、人影が水槽の前を横切るとショックを起こす個体も多いです。その場合は常に正面(或いは下)から水槽に近づきます。ライトのオン・オフでも暴れるようですと、水槽設置状況自体に問題が有ります。全ての時間を決める(タイマーに任せる事が出来るものは、それに切り替える)事で、徐々に収まってくる筈です。
 Aの場合、この状況で考えられるのはラプラディーです。通常はポリプテルスをアロワナがいじめるものですが、逆が無いとは言い切れません。ラプラディーにいじめる意志が無くとも、これが一度暴れれば、アロワナにも影響が出る事必至です。試しに一週間ほど別居させてみてはどうでしょうか(水槽が用意できなければ、セパレータで仕切るなど)。メールからはこれが一番疑われます。
 最後に底砂の件ですが、残餌の問題も有るので、薄く敷く(水槽の1/2が覆われるくらいが適当)か、ベアータンクにしておいた方が衛生上得策です。


Q165:(22/Nov/'99) KAWAHATA Yukiyasu さん
 はじめまして、私は水槽を立ち上げて2ヶ月の初心者です。#こんな質問でもかまいませんか?
 現在、60cm水槽にてカラシン(30)、コリドラス(6)、ドワーフグーラミィ(2)を飼育しています。ところでネオンテトラについてですが、2ヶ月で4匹が☆になってしまいました(水槽立ち上げ時にも元気だったメンバーです)。いずれも4cm以上の(結構な)大きさのものでだんだん色が薄くなってきて鼻上げを起こして(水槽内を漂って、最後は)底の方で動かなくなっていました。立て続けに☆になるわけでなくポツリ、ポツリと・・・ネオンテトラも寿命があると思いますが、その時ってこのような状態になるのでしょうか?他のカラシンなどはいたって丈夫です。
 また,この水槽に上部フィルター(シポラックス0.5L+ブラックピート少々+ウールマット2枚)と外部フィルター(2231:シポラックス0.5L+サブストラット0.7L+物理濾過用濾剤)にて濾過を行っています。亜硝酸/アンモニアは限りなく0ですが、硝酸塩は多少多め(>50mg/L)になっています。週に1から2回18L(全容量の1/3)を換えていますが、なかなか下がりません。水換えのの頻度はあまり上げたくないのですがこの状態から脱却するためのの方法がありましたら教えてください(そのため、苔も結構発生します)。やっぱり水換えの頻度or量を上げなくてはいけないのかな?大体、換水によって20から30mg/L程度には下がります(やっぱり硝酸塩は少ないほうがいいのですよね)。申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

A165:可能な範囲内で、全て回答を出します。
 先ずネオンテトラの件ですが、主に2種類のサイズをショップで見かけます。非常に細かな個体と、随分と大きな個体ですが、それぞれに長所・短所が有ります。先ず細かなサイズの個体ですが、安価で数多く入手できる事・これから先の成長を楽しむ事などがメリットですが、ダメージに弱い事・相当数入れないと目立たない事が難です。大きな個体の最大のメリットは、目立つので水槽内で映える事ですが、寿命が残りわずかで、多くが半年〜一年以内で昇天します。どちらがよいかは個々の判断でしょう。死亡状況ですが、ネオン病(半身が汚く白化を起こす)でなければ、慌てる必要も有りません。但し妙な行動を起こし始めた個体は、早々に隔離した方が安全です。
 硝酸塩は濾過バクテリアの最終生産物で、これを除去するには水替えが一番です(というより、水替え以外の方法は有りません)。苔もこれを餌に増えますから、水替え頻度を多くするのが得策です。収容魚種を見る限り、水替え量は変えない方が無難です。


Q164:(20/Nov/'99) 川野敬史さん
 以前、ダトニオについて質問しました。あれからまったく配合飼料を食わず仕方なくメダカを与えています。いいかげんメダカをやめようとおもいますが、餌を食べるまで何も与えなくていいですか?餓死しませんか?ある雑誌によるとダトニオは配合飼料は、食わないとまで書いてあったのですが。現在10センチです。すみませんがよろしくお願いします。

A164:餌は毎日食わせます。要は食わせたい餌→口にするが好まない餌→よく食う餌の順に与える事です(間は2〜3分くらい空ける)。給餌の時間も決めます(与えるものが餌であると認識し易い)。餌付き方は個体によりけりですが、根気良く続ければ魚の方が答えてくれるでしょう。過去ログも読んでみてください(ダトニオ以外の部分にも、餌付かせ方のポイントは書きまくってあります)。
 後半の部分についてですが、“はじめに”で私が書いているのは、情報の選択権は皆さん自身が所持しており、情報の活用はあくまで自己責任の元でお願いしますということです。ここでは私は考え方を提示するだけで、皆さんに強制するものでは全く有りません。


Q163:(19/Nov/'99) M.Matsui さん
 前回ナイフフィッシュの件で、質問させていただいた松井と申します。アドバイスありがとうございました。さて、今回お聞きしたいのはプレコの病気についてなのですが、グリーンロイヤル・プレコと、セルフィンプレコ、プラチナロイヤル・プレコの各5〜6cm位のプレコを各1匹づつ混泳させていたのですが、まずその中のグリーンロイヤルに1mm弱程度の白点が全身にできてしまい、次にプラチナロイヤルにも同じ症状が出てしまったので、別の水槽で薬浴させました。水温は25〜26℃でグリーンFを規定量の1/3程度の濃度で使用したところ、プラチナロイヤルは一週間程で完治したのですが、グリーンロイヤルの方はなかなか治らず、餌も食べなくなってしまった為、これ以上体力が落ちてもいけないと思い、グリーンFから食塩水の切り替えて、水温を29〜30℃に上げました。食塩の濃度は、水10リットル当たり食塩こさじ1〜1.5杯くらいです。ところが、回復することなくグリーンロイヤルは死んでしまいました。今思えば、グリーンロイヤルを入れる直前に櫨材として濾過漕に珊瑚砂の大を300〜400gほど追加しました。濾過器は外部式と上部式を併用していて珊瑚砂を追加したのは上部式のほうです。参考までに、その他に入れてある濾材は円筒形セラミックで、もちろん物理濾過としてマットも入れてあります。珊瑚砂には飼育水をアルカリ性に傾ける作用があると聞きますが、飼育水のPHを測定してみたところ6.9〜7.0でした。今回の発症と、珊瑚砂の使用に何か関係があるのでしょうか?また、珊瑚砂には飼育水のアルカリ化以外にも何か作用があるのでしょうか?
 その後、性懲りも無くグリーンロイヤルを2匹先の混泳水槽に追加したところ、また同じ症状が出てしまいました。水槽に入れる前も十分水慣らしもしたつもりですし、プラチナロイヤルの方は元気なので、なぜこのような症状がでたのか見当がつきません。発病後は、グリーンFで薬浴しています。水温及び薬剤の濃度は前回と同じです。前回死んでしまったグリーンロイヤルは目の回りがくぼんできたのですが、今回は今のところ白点だけです。この病気は白点病なのでしょうか?また、水槽を移す際にその白点を手で擦ってみたのですが、鰭に出来ている白点は取れないのですが、頭部及び胴体に出来た白点は擦ると取れてしまいます。それから、この様な症状の病気を患ったプレコを治療するにはどういう方法が理想なのでしょうか?お手数ですが、アドバイスお願いいたします。

A163:幾つか押さえるポイントが有りますので、分けて回答します。単体・組み合わせ(×)の相当数の場合が考えられますので、検討なさってください。
@珊瑚砂:メールから察し、pH7.0(中性)と言う事ですから、これによるアルカリ傾向は見られません。珊瑚砂でアルカリ環境を作るには、濾過槽全体を珊瑚砂に替える必要が有り、それでもpH7.5以上に持っていくのは至難の業です。通常の水質は水道水のpHに由来します。水道水pHを測定してみてください。
 珊瑚砂の処理には、幾つか注意すべき点が有ります。珊瑚砂は多孔質で、それが濾過によいのは事実ですが、実はここに有機物(堆積物・珊瑚虫や他の生物の死骸など)が、みっしり詰まっています。海水魚飼育をやる人が始めに戸惑うのは、水槽設置後の硝酸塩濃度が跳ね上がりっぱなしで、ちっとも落ち着かないと言うものです。有機物は洗って取れるものでは有りません。濾過バクテリアがわくと、先ず棲み家のそうした物質を処理にかかるのです。硝酸塩量=珊瑚の有機物量ですから、これが無くなるまでは頻繁に水を替える必要が有ります。これを替えなければ、飽和状態の硝酸塩水に魚を浸けているようなもので、全く逆効果です。
Aアマゾン産の魚種は、中性よりも弱酸性を好みます。グリーンロイヤルはプラチナロイヤルと産地が異なりますから、よりグリーンロイヤルの方が酸性を好む可能性が有れば、流木投入・ピートの併用などでpHを6.5程度に落としてやるのも一考です(水道水のpHが余りにも高ければ、pH降下剤の使用もやむなし)。トリートメントタンクでの管理に有効です。但し、通常グリーンロイヤルがpH7.0で飼育できないと言う事は有りません。
B魚はあなたの行き付けのショップに、アマゾンから直接来る事は先ず有りません。ブラジル・日本の数箇所で暫くプールされている事が多く、その時点の管理に問題が有れば、同一魚種グループに揃って障害が出る事も有るでしょう。しかも擦れによる感染症防止や、様々な(人気種・高価な魚種ほど)疾患予防に抗生物質等が投与されている場合も多く、薬切れでダウンする事も多々有ります。
 以上考えられる原因です。
 今回のケースで私が考える所では、単にグリーンロイヤルが病気を持ち込んでいるだけだと思われます。これを防止する(それでもグリーンロイヤルを飼いたい)には、トリートメントタンクを立ち上げることが必要です。グリーンロイヤル用に完全な水槽を一本立ち上げ、最低一月単独で飼育・管理します。病気を持っていても発生しなかったものが、ストレス(この場合はプラチナです。先住者は立場強く、新参者に圧力をかけます。特にプレコの類は)によって表面化する事はよくあります。状態を完全なものにしてから混泳させるようにしてください。
 最後に治療ですが、これも先ず病魚の隔離からはじめなくてはどうにもなりません。病気を持ったままの個体と一緒では、折角治癒した個体も再発してしまいます。このタイプのプレコに魚病薬は薦められませんが、塩水治療もよい結果を出せない事が多いので、魚病薬(グリーンFなど、効用を見て選択してください)を規定量の1/3を目安に水替えを励行・薬剤補充を繰り返して様子をみます。プレコの場合は水温を余り上げてはいけません。25〜6℃で充分です。


Q162:(16/Nov/'99) Kota Usuda さん
 テトラオドン・ムブが白点病になってしまいました。すぐに、グリーンFを投入しました。三日目ぐらいにはよくなってきたのですが、その後、五日目ぐらいからまた、再発してきました。ですから、水を半分ほど交換し、グリーンFを再投入したのですが、なんかひどくなっています(二日目)。尾鰭と胸鰭、眼にも少しあります。このまま薬浴させとけばいいのでしょうか?現在の水槽の環境は次の通りです。水温28度、外部式フィルターが作動中です。よろしくお願いします

A162:普通淡水フグの病気の出現は少なく、出る場合は白点病と水カビが主です。何れの場合も水質悪化・飼育水の酸性化などが原因です(餌魚が持ち込む場合も有り。餌の配合飼料等への切り替えを)。治療にあたっては初期段階で投薬(規定量より低めに)・人工海水の素をふた握り程度溶かし、翌日には半量水替えで再投薬・人工海水追加を行ないます。フグの場合投薬により“何かしら”分泌し、自家中毒になる可能性が有るので、薬品にはなるべく比重を置かずに、人工海水で対処します(常備するとよいでしょう)。重症(鰭の崩壊等)ではそうもいっていられないので、規定量の投薬と水替え(毎日)を、改善の方向が確認できるまで行なうようにします。但し通常の白点病では重症になる事が少ないので、エピスティリスも疑う必要が有ります(サイズの揃った透明感のある白=白点病、ややサイズのばらつきが有る重量感のある白=エピスティリス)。エピスティリスの場合は、ゴールドやエルバージュなどの黄色系の薬剤を用いますが、個体の体力勝負の側面が有ります。どちらの病気にせよ、フグは痩せてしまったら御終いですから、給餌をしっかり行なってください。


Q161:(16/Nov/'99) M.Matsui さん
 初めまして、初めて質問させていただきます。松井 淳と申します。熱帯魚を買い始めて半年くらいの初心者です。さて今日お聞きしたいのは、スポッテッド・ナイフフィッシュタイヤトラック・スパイニィイールについてですが、この2種を各1匹ずつ60cm水槽にて混泳させています。混泳に付いては今の所問題ないようです。購入時期は今年の9月の中旬で、購入時のサイズは2匹とも10cm弱でした。現在の体長はナイフが20cm、スパイニィイールが16cmです。餌はナイフは、メダカ、金魚、川魚の稚魚(採集したもの)でメダカ、川魚は一日5〜6匹、金魚の場合は一日1匹与えております。スパイニィイールのほうは、冷凍赤虫のみで一日2回、ブロック状の物を合計2ブロック与えています。
 まず1つ目は以前貴方のHPのなかで読んだのですが、ナイフフィッシュも人工飼料での餌付けが可能と書いてあったのを拝見して、冬場の川魚の採集も困難な為思いきって人工飼料へ切り替えようと挑戦しています。人工飼料はヒカリクレストのキャット、ディスカスを2〜3粒、夜就寝前に投入しているのですが、朝になっても丸々残っている次第です。なにか、上手く餌付ける方法やお薦めの人工飼料などありましたら、教えて頂きたいのです。
 2つ目はスパイニィイールについてです。現在解凍した冷凍赤虫をスポイトで魚の目の前に落として与えています。食いはいいのですが、栄養面で問題無いのでしょうか?また、単一の餌での飼育は良くないと聞きますが何か他にも併用して行きたいと思います。なにかお薦めの餌等ありましたらアドバイスしていただきたいと思います。
 以上2点よろしくお願いします。

A161:ナイフフィッシュの類は、配合飼料に餌付き易いのが特徴です。まだ20cmと小型の個体ですから、赤虫にまず切り替えてください。給餌は一日一回でよいので、時間を決めてください。ブロック数はスピニーイールと共に、4〜5ブロックくらいが適当でしょう(底に餌が溜まるように。但し大量に食い残す様なら減らします。大磯砂は餌と共に飲んだりしてよくないので、細かな川砂=鰓から出る=に替えるか、何も敷かないようにします)。双方がっつくようになった時点で、赤虫と共にキャットやドロマリンなどを混ぜて(配合飼料の方を先に)与えます。これにより強制的に口に入れる事で、食える餌である事を認識させます。浮上性のペレットに餌付ける場合、こちらもよく食う餌の前に、ペレットを与えるようにします。沈水性の餌に餌付いてしまえば、こちらもあっという間です。スピニーイールも同様に餌付けます。必ずどちらかが餌付くので、もう一方もつられて食うようになるでしょう。魚が好む配合飼料としては、沈水性のものならば先程のひかりクレストのキャットや、テトラのドロマリンの中の赤い粒、浮上性ペレットであればテトラのアロワナフードや、日本ペットフードのチャーミースティックなどがあります。但し餌付いてしまえば、餌の種類は全く問わなくなります。2〜3種類のメーカーのものを用意してください。
 本来配合飼料に餌付けたい場合、生きた魚を決して与えてはいけません。何故なら生餌を覚えた状態の個体は、他の餌に転換する事が少々面倒になる為です。また、個体サイズの小さいものほど、切り替えが容易です。大型の個体は、状況の変化についていき難くなっています。

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